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売買が成立しないFIT電力も出力制御対象にする案 経産省の委員会で示される

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経済産業省は11日に開催した、再エネをめぐる制度的な見直しについて検討する小委員会で、固定買取制度(FIT)において、電力需要の変動に応じ、稼働中・稼働予定の電源に対して、出力を抑制するための条件や順番を定めた「優先給電ルール」の見直し案等を示した。

優先給電ルールの今後の検討課題として、再エネの導入促進に向けて、広域的な系統運用や送配電買取の場合を見据えた見直しが必要だとした。まずは、再エネの出力制御を行う前の回避措置として、再エネ電気の受入余地のある他地域への送電を行うことを原則とし、その場合の具体的条件や精算ルール等について検討中である。

さらに、今後、買取義務者を送配電事業者に変更し、買い取ったFIT電気(FITで交付金を受けた再エネ電気)の一部を市場に供出する場合における出力制御ルールの整備が必要となる。例えば、売値0円でも約定しないFIT電気が生じる場合には、既に火力発電が十分に抑制されている状態と同視しうることから、売買が成立しない量のFIT電気を出力制御の対象とする案を提示した。

本小委員会の名称は、再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会。今回の第4回委員会では、(1)系統制約の解消に向けて、(2)研究開発・規制改革、について検討した。経済産業省が提示した資料の概要は以下のとおり。

系統制約の解消に向けて

目指すべき方向性として、「再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立」を掲げる。そのために、系統整備・運用ルールの明確化を通じた、効率的な再エネの導入拡大を図る。資料では、ハード面とソフト面での課題と、それに対する対応の方向性、研究開発のあり方についてまとめている。

ローカル系統制約の対応

九州電力管内等で、特定の地域に太陽光発電が集中的に導入された結果、電力会社への接続検討量の多くについて電力系統への接続が困難となる、ローカル系統制約が顕在化した。ローカル系統制約に対しては、コスト効率的な再エネの拡大を図り、事業者の事業予見性を高める観点から、電力会社が地域内の主要系統の空き情報等の系統情報を公表するルールや、広域機関による系統増強の工事費負担金を複数の事業者で共同負担する、電源接続案件募集プロセスのルールについての整備が行われている。

再エネ最大限導入のための事業環境整備(研究開発・規制改革)について

再エネを効率的かつ持続可能な形で最大限導入し、将来的には自立電源化を目指していくためには、固定価格買取制度(FIT)の見直しのみならず、研究開発や規制改革を通じた事業環境整備を行っていく必要があるとの認識を示した。具体的には、下記の項目について、課題や現在の取組み、今後の方向性についてまとめている。

1. 研究開発

  1. 太陽光発電風力発電の自立・安定化に向けた技術開発
    ・自立電源化のための低コスト化技術開発
    ・自然変動する出力の予測・制御技術や系統運用技術の高度化
  2. 地熱発電・中小水力発電の導入拡大に向けた技術開発
  3. 次世代技術の開発(海洋エネルギー発電、高温岩体地熱発電、宇宙太陽光発電等)

2. 規制改革

  1. 環境アセスメント手続の迅速化等
  2. 適切な土地利用と地域社会との共生
  3. 設備の安全性の確保

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(第4回)

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