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岩手県の風力発電事業、環境省が「騒音」や「鳥類の保全」を指摘

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環境省は、11月6日、岩手県で計画されている30,000kWの風力発電所を設置する事業である「(仮称)ノソウケ峠風力発電事業計画段階環境配慮書」(ジャパン・リニューアブル・エナジー)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

近隣の住居や鳥類の生息環境の保全を指摘

環境大臣意見では、風力発電設備の配置の検討に当たり、(1)近隣に住居がある、(2)一部の住居は近隣を風力発電設備に囲まれるなどの理由から、住居から離隔し、騒音や風車の影による影響を極力低減することを求めている。

また、その区域にはイヌワシなどの希少猛禽類の生息が確認されているほか、ガンやカモなどの渡り経路となっている可能性があるため、鳥類に関する調査および予測を行い、専門家からの助言を踏まえ、環境影響を評価することも求めている。

以下環境大臣意見の概要。

1:騒音の低減

風力発電設備等を住居から可能な限り離隔し、騒音等による影響を極力低減すること。

2:風車の影の回避

風車の影による重大な環境影響が懸念されるため、風力発電設備を住居から可能な限り離隔し、風車の影による影響を極力低減すること。

3:鳥類の保護

鳥類に対する影響イヌワシ等の希少猛禽類の生息が確認されているほか、ガン・カモ類等の渡り経路となっている可能性があり、風力発電設備への衝突事故や生息環境の劣化、移動経路の阻害の回避のため、鳥類に関する調査および予測を行い環境影響を評価すること。特に、希少猛禽類については、適切な時期・回数の調査を実施し、営巣地・飛翔行動・飛翔高度・採餌行動を明らかにし、生息及び繁殖への影響を的確に把握する。

環境大臣意見の流れ

環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置または変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。

計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

今後、経済産業大臣から事業者であるジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。 

先日環境大臣が意見を提出した青森県の風力発電では、生態系の保全を主に指摘したのに対し、今回は周辺住民の生活環境も踏まえた指摘となった。大規模事業を実施する場合は生態系と住民の両方を配慮した設計をしなければならないことを意味する。

【参考】
環境省 - (仮称)ノソウケ峠風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見

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