> > 2016年度の太陽光発電の買取価格はどうなる? 議論がスタート

2016年度の太陽光発電の買取価格はどうなる? 議論がスタート

記事を保存

経済産業省は19日、調達価格等算定委員会(第20回)を開催し、固定価格買取制度(FIT)に基づく2016年度の買取価格についての議論を開始した。

2015年度の太陽光発電の買取価格は、非住宅用(10kW以上)が「29円/kWh+税」(4月1日~6月30日は)、「27円/kWh+税」(7月1日以降)で、住宅用(10kW未満)は、「出力制御対応機器設置義務なし」が「33円/kWh」で、「出力制御対応機器設置義務あり」が「35円/kWh」。

FIT開始後、導入が進んでいる太陽光発電の買取価格は、非住宅用・住宅用ともに、3年連続での引き下げとなっており、2016年度の買取価格にも注目が集まる。

本委員会では、経産省から、再生可能エネルギーの導入状況とFITに関する検討状況についての資料が提示された。その中で、買取価格を算出するベースとなる、各電源の現状のコストデータとその考え方についてまとめている。

非住宅用太陽光のシステム価格は下落

非住宅用太陽光(10kW以上)のコストデータのうち、システム費用(太陽光パネル、パワコン、架台、工事費を含む)はすべての規模で下落。一方、10kW以上全体と1,000kW以上との価格差が縮小していることから、これまで10kW以上全体で見ると実質的に効率的な費用水準として採用してきた1,000kW以上の中央値が、十分「効率的」な費用水準といえるのか、検証が必要との考えを示した。

設備利用率や土地造成費、出力制御対応機器の設置費用を含む接続費用については、、2015年度の買取価格の算定に当たっての想定値を据え置く考えだ。

住宅用太陽光は

住宅用太陽光(10kW未満)のコストデータのうち、システム費用については、直近の新築設置の平均データを採用しており、2015年度の調達価格の算定に当たっての想定値としては、2014年10-12月期の新築設置の平均値の36.4万円/kWを採用した。今回新たに取得した年報データをもとに推計すると、2015年10-12月期の新築価格は35.3万円/kWとなる。

また、定期点検費用やパワコン交換を計上した平均運転維持費は、2015年度の想定値の年3,600円/kWより少ない、年3,200円/kWを採用する案を示している。また、パワコンの変換効率の向上や、パネルの大規模化等により、設備稼働率、余剰売電比率とも上昇したものと捉えている。運転維持費の低下、設備稼働率・余剰売電比率の上昇は、買取価格の引き下げにつながる要因となる。

その他、経済産業省の資料の概要は以下のとおり。

再エネの導入動向とFITの運用状況について

水力を除く再生可能エネルギーの全体の発電量に占める割合は、FIT導入後の約3年間で、1.4%(平成23年度)から3.2%(平成26年度)に増加した。

FIT開始後、平成27年9月時点で、新たに運転を開始した設備は2365万kW。制度開始後、認定された容量のうち、運転開始済量の割合は約28%。制度開始後の導入量、認定量ともに太陽光が9割以上を占める。

2030年のエネルギーミックスで示された再エネの導入水準(22~24%)を達成するために必要な各電源の設備容量と、2015年9月末の導入量・認定量を比較すると、太陽光については、既に認定量がエネルギーミックスで示された設備容量を超過。他方、太陽光以外については、特に風力・バイオマスを中心に認定量は増えているものの、エネルギーミックスで示された水準からはまだ開きがある。

エネルギーミックスの検討においては、電力コストを現状より引き下げた上で、再エネ拡大のために投ずる費用(買取費用)を3.7~4.0兆円と設定している。FIT開始後、既に3年間で買取費用は約1.8兆円(賦課金は約1.3兆円)に達しており、再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、コスト効率的な導入拡大が必要である。

FIT見直しの検討状況について

各電源における現状のコストデータのほか、これまで、再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員で議論でされてきた価格決定方式に関する報告書(案)のポイントをまとめている。

価格決定方式に関する報告書(案)のポイントの柱として、再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るための「コスト効率的な導入」と、FIT開始後、導入が進んでいない風力発電地熱発電・水力発電のように「リードタイムの長い電源の導入促進」をあげる。

電源別の価格決定方式では、事業用太陽光発電については、トップランナー方式を採用しつつ、事業者間の競争を通じた更なる価格低減を実現するため、大規模な発電設備から入札制度を活用する案、10kW未満の住宅用太陽光発電については、予め価格低減スケジュールを設定する方式を採用する案が示されている。

風力発電については、中長期的な買取価格の引き下げスケジュールを決定する買取価格決定方式を採用し、地熱発電・中小水力発電については、将来のコスト低下を見込むことが難しいため、初期投資への支援制度を拡充することについて引き続き検討していくことが必要だとしている。

安定的な燃料調達が最大の課題となるバイオマス発電については、国内での自立的・持続的な燃料調達に向けた支援の強化を求めている。

【参考】
経済産業省 - 調達価格等算定委員会(第20回)

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.