> > 新型燃料電池で25%省エネする超高層マンション 積水ハウスが大阪に建設

新型燃料電池で25%省エネする超高層マンション 積水ハウスが大阪に建設

記事を保存
新型燃料電池で25%省エネする超高層マンション 積水ハウスが大阪に建設

積水ハウスと大阪ガスは24日、超高層マンションにおいて新型燃料電池を全戸に設置し、余剰電力を活用したCO2排出量と一次エネルギー消費量の大幅な削減を実現する次世代のエネルギーシステムを導入すると発表した。

本システムでは、家庭で使われなかった燃料電池の発電電力(余剰電力)は大阪ガスへ売電することができ、一次エネルギー消費量は積水ハウスが2008年に供給した超高層マンションと比較した場合、約25%削減できるという。

新型燃料電池

新型燃料電池

新型燃料電池は、大阪ガスが京セラなどと開発した、高効率・世界最小サイズの「家庭用燃料電池エネファーム type S」。今回の取り組みでは、小型化などを実現した新型燃料電池を導入することで、設置スペースの問題を解決。また、24時間700Wの定格出力運転を行うことで最大限高効率に発電した環境負荷の小さい電力を家庭で消費したり、大阪ガスへ売電することができる。

このシステムを導入するのは、積水ハウスが大阪市内2カ所にて事業主として開発する超高層マンション「(仮称)グランドメゾン大淀南タワー」と「(仮称)グランドメゾン内久宝寺タワー」。

集合住宅では一住戸あたりの屋根面積が小さいため、太陽光発電システムの導入による大幅なCO2排出量の削減が困難だった。燃料電池は分散型電源であり排熱の有効利用が可能だが、設置スペースの問題や、居住者のライフスタイルによって発電量が左右されるという課題があった。

多様な居住者にメリットが期待される本取り組みは、超高層マンションで実現するCO2排出量の削減手法として先進的であり、国土交通省「平成27年度 第2回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」として採択されている。

高効率・世界最小サイズを実現した新型燃料電池

大阪ガスは同日、アイシン精機京セラノーリツと共同で新型燃料電池(家庭用燃料電池エネファーム type S)を開発し、2016年4月から販売を開始すると発表した。

この新製品は、大阪ガスと京セラが共同で開発したセルスタック耐久性向上技術を採用することにより、高い発電効率と耐久性を両立することに成功し、発電効率52%を達成。また、発電ユニットに貯湯タンクを内蔵し、通常のガス給湯器に接続する仕組みとしたことで、世界最小の機器本体サイズ(H1,195×W780×D330mm)を実現した。

大阪ガスによると、2月24日時点で、積水ハウス・大和ハウス工業・野村不動産・NIPPO・三菱地所レジデンス・大阪ガス都市開発が供給する新築マンション(計6物件、770戸)に対し、新型燃料電池を採用する意向を得ている。

今回の取り組みについて

従来の燃料電池は、集合住宅では設置可能な場所が玄関横パイプシャフト等に限られていたが、今回発表された新型燃料電池は、発電ユニットと熱源機によって構成され、機器の小型化と耐風性能の向上により、超高層マンションのバルコニーへの設置が可能になった。

また、従来の燃料電池では電力消費量の少ない家庭において、燃料電池の保有する発電能力を十分に活用できないケースがあった。今回の新型燃料電池では家庭での消費電力量に関わらず、常時高効率な定格出力運転を行うことで、更なるCO2削減に寄与する。また、その際に生まれた余剰電力は大阪ガスに売電することができる。

さらに、常時定格出力運転により利用できる排熱が増えるため、熱利用の多様化を図り、より快適な暮らしを提案していく。これらの取り組みの結果、従来マンションに比較し約25%の一次エネルギー消費量削減を実現する。

その他共用部などでは、

  • 停電対応コージェネレーションと備蓄LPGによる非常時の電力供給
  • トップライトを活用した光ダクトシステムによる自然光の利用
  • コジェネレーションの排熱とクールヒートチューブを用いた共用部の空調負荷の低減
  • 雨水の散水利用と、日本の在来種の植栽を用いた都市部での生態系ネットワークの構築

など、様々な環境対策や非常時対策にも取り組む。

今後、積水ハウスでは「グリーンファースト」戦略にもとづき、分譲マンションをはじめ、戸建や賃貸住宅等にも、燃料電池の普及や余剰電力の買い取りなどの新たなビジネスモデルを拡大していく考えだ。

建物概要

今回、本取組みを実施する「(仮称)グランドメゾン大淀南タワー」は鉄筋コンクリート造・39階建の店舗・共同住宅(店舗8戸、住戸298戸)で、工事着工は2016年7月、完成は2019年1月を予定。設計・施工は竹中工務店。

「(仮称)グランドメゾン内久宝寺タワー」は、鉄筋コンクリート造・38階建の共同住宅(住戸245戸)で、工事着工は2016年9月、完成は2019年7月を予定。設計・施工は前田建設工業。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.