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九州で大量に廃棄される焼酎粕、低コストな蓄電池に 福岡工業大が開発

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九州で大量に廃棄される焼酎粕、低コストな蓄電池に 福岡工業大が開発

福岡工業大学(福岡県福岡市)は11日、焼酎製造時に生じる「粕(かす)」を活用した蓄電池を開発したと発表した。

この蓄電池は「電気二重層キャパシタ」タイプで、通常の蓄電池と比較して、貯められる電気の量は劣るものの、短時間で充放電する瞬発力に優れており、繰り返しの使用に非常に強い。将来的には電気自動車(EV)の回生電力、小型モバイル機器、家庭用の蓄電池などへの実用化が期待される。

電気二重層キャパシタの原理

電気二重層キャパシタの原理

開発に成功したのは、同大学工学部電気工学科の田島研究室。焼酎工場から排出される焼酎粕を使用し、材料となる活性炭を作製、電気二重層キャパシタへ応用した。

焼酎粕を用いた活性炭は、製法の工夫により、従来から多く用いられてきたヤシ殻由来の活性炭と比較して、イオンを表面に保持する能力を約13%向上させた。その活性炭を電気二重層キャパシタの電極として応用し、貯めることができる電気の量も全体として約20%向上させた。

顕微鏡写真

主な特長

1.低コストで長持ち

廃棄物を使用し、レアメタル等を用いないため、製造コストが低く抑えられる上に、充電、放電の際に劣化が少なく長期間の使用も可能である。

2.大電流を充放電する瞬発力に優れる

余った電気を無駄なく回収したり、一度にたくさんの電気が必要となる用途に適している。将来的には何時間もかかっていた充電を一瞬でできるようになる可能性がある。

3.地域の焼酎メーカーと大学の連携により焼酎粕の有効利用に道筋

この研究は、焼酎粕の有効利用について高い関心を持つ紅乙女酒造(福岡県久留米市田主丸)からの焼酎粕提供により実現した。焼酎の種類によって蓄えられる電気の量が異なるなど、興味深い結果も得られており、実用化に向けて、今後も協力して研究を進める予定である。

焼酎粕は九州で大量に発生し処理・有効利用が課題となっている。焼酎粕の新たな活用法を開拓したことで、地域の環境保護や産業の活性化も期待されている。

開発の背景

「電気二重層キャパシタ」とは、活性炭の表面にある微細な隙間に多数のイオンが付着したり放出されたりする現象を利用した蓄電池で、通常の蓄電池と比較して、貯められる電気の量は劣るものの、短時間で充放電する瞬発力に優れており、繰り返しの使用に非常に強いという特徴がある。

そのため、ハイブリッド車でブレーキ時のエネルギーを急速に蓄えたり、発進・加速時に大きな電力を供給したりする用途に適しているが、現状ではさらに多くの電気を蓄えられるようにすることと、できるだけ安く作ることの課題がある。

【参考】
福岡工業大学 - 九州発!焼酎粕(かす)から低コスト充電池を開発。電気自動車にも活用可能

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