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水素ステーションの計量システムにJIS制定 精度等級の導入などで適正計量

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水素燃料計量システム ― 自動車充填用

水素燃料計量システム ― 自動車充填用

経済産業省は20日、今後の燃料電池自動車(FCV)の本格的な普及のために必要不可欠となる水素ステーションで、水素燃料の取引を行う際に使用する計量システムの日本工業規格JIS B8576を制定したと発表した。

日本では、現在、官民一体となって水素ステーションの整備が戦略的に進められている。こうした中、水素ステーションにおける水素燃料の取引で、適正な計量が行われることは、取引当事者間、とりわけ消費者保護の観点から極めて重要である。

このため、水素ステーションの技術・研究開発のさらなる加速化と、水素燃料の取引における適正計量の確保との両立を目的として、最新の国内外研究開発動向等を踏まえ、日本工業規格JIS B8576(水素燃料計量システム-自動車充塡用)を制定した。

このJISの制定によって計量器メーカー、水素ステーション運営者などの事業者による自主的な適正計量の確保や標準化に伴う研究・技術開発の促進が期待される。また、今後、このJISに基づく国際提案を行うことを予定しており、日本主導の国際標準化によって、日本計量器メーカーの国際市場の獲得を図る。

制定の主なポイント

1.精度等級の導入

現在、設置が進められている水素燃料計量システムの最大許容誤差は±5%程度だが、技術的に成熟しているガソリン充塡計量器の±1%と比べて明らかに大きな値である。そこで計量器メーカーの技術開発を促進するために最大許容誤差および目量(取引に使用される最小桁の水素質量の計量値)の組み合わせからなる次の4等級の精度等級を導入した。

水素燃料計量システムの精度等級

精度等級 最大許容誤差 使用中最大許容誤差 目量
2 ±1.5% ±2.0% 0.001~0.005kg
3 ±2.0% ±3.0% 0.005~0.01kg
5 ±4.0% ±5.0% 0.01~0.02kg
10 ±8.0% ±10% 0.01~0.02kg

最大許容誤差は、水素燃料計量システムの使用前に行う検査の合格基準。
使用中最大許容誤差は、水素燃料計量システムの使用中に許容される最大許容誤差。

2.脱圧量の取扱い方法を決定

水素燃料は燃料電池自動車(FCV)に高圧充塡されるため、安全上、充塡終了後、ホース、配管等にある水素燃料を大気中に放散する必要があるが、この放散した水素燃料(脱圧量20~50g程度 ※計量システムによっても異なる)は、水素燃料計量システム上は実際には充塡されていないにもかかわらず充塡されたものとして計量結果に含まれてしまうため、その取扱いが課題となっていた。

そこで、あらかじめホース、配管等の内容積から算出した値またはあらかじめ放散量を計量した値のいずれかの最大値を脱圧量として水素燃料計量システムに入力し、充塡の際は、その脱圧量を超えた後、計量値が増える方法を採用した。

3.モジュール評価の採用

計量性能は、通常、計量システム全体で評価を行うが、水素燃料計量システムのコスト削減等を促進するため、(1)大規模かつ高価な試験設備を必要としない、(2)アッセンブリメーカーの部品調達を容易にする、といったことを目的として他の計量器の型式承認試験で採用されているモジュール評価(計量システムを部品または要素毎に分割し、全体で許容されている値からそれぞれの部品等の寄与度を按分し、部品毎の許容値を決定する方法)を採用した。

4.その他

計量性能に関する誤操作・不正行為を防止するための封印の取扱い、定期的な検査の周期、設置後の使用前検査や定期的な検査時に精度等級の基準に不合格となった場合の下位等級への変更の取扱い等について規定した。

国際提案の予定

経済産業省は、今年度から3年間で国際標準化研究開発委託事業を実施する。この事業では、今回制定するJISに基づき、より詳細な計量性能の評価方法を確立するための実証データーの取得、先進各国の研究機関やメーカーとの最新の研究開発状況等の意見交換等によって、日本提案のOIML(International Organization of Legal Metrology:国際法定計量機関)の国際勧告文書としての発行を目指す。OIMLは、条約に基づき、各国の計量行政当局(日本は、経済産業省)が加盟する国際組織で、国際規格である国際勧告文書(R 文書)などを発行する。

JIS規格とは

日本工業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)とは、鉱工業品の品質の改善、性能・安全性の向上、生産効率の増進等のため、工業標準化法に基づき制定される日本の国家規格である。

経済産業省は、技術の進歩や、安全性向上等必要に応じて、JIS規格を制定・改正している。5月分では、7件の制定および12件の改正を行った。

【参考】
経済産業省 - 日本工業規格(JIS規格)を制定・改正しました(平成28年5月分)

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