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あの「台風発電」、日本ユニシスが提携 沖縄でプロペラのない風力発電の実験

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あの「台風発電」、日本ユニシスが提携 沖縄でプロペラのない風力発電の実験

日本ユニシス(東京都江東区)とチャレナジー(東京都墨田区)は30日、台風や、いわゆる爆弾低気圧などの強風環境においても発電可能な「次世代風力発電サービス」の開発・事業化で提携したと発表した。

次世代風力発電サービスは、チャレナジーが開発を進めているプロペラのない「垂直軸型マグナス式風力発電機」と、日本ユニシスが構築するIoT利用による遠隔監視システムをセットにして、ワンストップのサービスとして提供するもの。

両社は8月7日から沖縄県南城市において、フィールドテスト機を建設し、さまざまな風況下でのより安定的な電力供給を実証するための共同実証実験を開始する。

風速や風向が安定しない日本において、垂直軸構造を採用したマグナス式風力発電機は風の強弱や風向きの影響を受けにくく、安全性、安定性の高い発電環境を構築できる。ホテル、ビルの屋上や、地理条件により制約を受ける離島での発電も可能になる。

また、IoT利用による遠隔監視システムでは、発電設備に取り付けたIoTセンサーデバイスから、ネットワーク経由でデータを収集し、機械学習やビッグデータ解析を行うことで発電設備の稼働状況を管理・分析する。発電量の「見える化」だけでなく、遠隔・多拠点に設置した設備の異常を早期に発見し、発電量低下による経済的損失の回避やメンテナンス業務の効率化を実現する。

垂直軸型マグナス風力発電機とは

チャレナジーは、世界初となる「垂直軸型マグナス風力発電機」の実用化を目指すベンチャー。この発電機は、円筒を気流中で自転させたときに発生する「マグナス力」により動作する次世代風力発電機だ。プロペラ式風力発電機と比較して、強風環境における耐久面で優位な製品であり、昨年12月の強風域を模した風洞実験環境では風速20m/s下での性能検証に成功している。チャレナジーは、台風のような強風下でも壊れず、その莫大なエネルギーを電力に変える風力発電機として、「台風発電」の開発を進めている。

日本ユニシスは遠隔監視システムを構築

日本ユニシスは、エネルギー管理クラウドサービス「EnabilityRシリーズ」および「IoTビジネスプラットフォーム」を統合し、風力発電設備における、発電機の稼働状況、異常検知などの遠隔運用監視システム構築を進めていく。

同グループでは、センサーデバイスの開発から、データ収集・配信・加工・解析までをワンストップで提供する「IoTビジネスプラットフォーム」の開発に取り組んでおり、今回提供を目指す「次世代風力発電サービス」をその第一弾と位置づけている。

なお、「次世代風力発電サービス」は、6月3日に開催する日本ユニシスグループ総合フォーラム「BITS2016」(ANAインターコンチネンタルホテル東京)において詳細情報を公開する予定。

事故の予兆を把握する技術にインセンティブ?

日本政府は2030年までに、一次エネルギー自給率を24.3%まで改善することを目指し、さらなる省エネの推進に加え、再エネの最大限の導入を基本方針としている。政府の試算によると国内の再エネの導入ポテンシャルは、洋上風力13.8億kW、陸上風力2.7億kW、太陽光1.9億kW、中小水力898万kW、地熱233万kWであり、風力発電のポテンシャルは圧倒的に高くなっている。

しかし、従来のプロペラ式風力発電機は風向きや落雷の影響を受けやすく、またプロペラ部分の事故が多数発生していることから、政府は3年ごとの定期検査を義務化する方針を固めている。ただしIoTの活用による常時監視・予兆把握技術が導入される場合には、検査時期を延伸、または検査期間を短縮するなどのインセンティブ措置も検討している。

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