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青森県弘前市の「雪国対応型メガソーラー」 実証事業の発電実績116%の秘密

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青森県弘前市の「雪国対応型メガソーラー」 実証事業の発電実績116%の秘密

弘前市は、市有地を活用し実施する豪雪地帯におけるメガソーラー実証事業で、開始後から1年目の成果が発電実績116%と、計画を上回ったと発表した。

この「弘前市雪国対応型メガソーラー実証事業」は、弘前市と地元企業が出資し設立した子会社ひろさきアップルパワーが行うもの。2012年度に青森県の委託事業として実施されたメガソーラー適地調査・研究事業の結果において、積雪量が多いなど条件の厳しい地域でも、行政との連携によりメガソーラー発電の事業化の可能性があるという指摘にもとづき、長期的な実証が2015年7月から開始された。この事業により、豪雪地域におけるメガソーラー実現のモデルとしての事業化を図るとともに、同市のエネルギーの地産地消等を推進する。

なお、同市は、市有地の埋立処分場第一次施設跡地を事業用地として無償で提供し、ひろさきアップルパワーが必要な費用すべてを資金調達しメガソーラーの設計・建設、売電を行う。同メガソーラー発電所の施工費用は4億円。

雪国対応メガソーラーのノウハウ

積雪が多い時期の発電計画をゼロで試算

同メガソーラー発電所は、敷地面積49,300平方メートルに2つの区域に分けて6,900枚(架台数は460台)の太陽光発電パネルが設置されている。また、同実証では積雪を考慮し、1月から3月の計画発電量をゼロで試算し、その上で事業化が可能と考えられるスキームにより実証をおこなっている。この試算で想定される年間発電量は約140万kWh(約400世帯分の電力に相当)だ。

発電設備の積雪対策

積雪対策として、太陽光発電パネルや架台は耐積雪仕様製品を選択し、架台の高さを約1.8mとし、パネルは傾斜30度で設置されている。また、太陽光発電パネルの結線を、架台1基ごとに行うと下段のみに積雪しても発電量が出ないため、3基を1グループとして上段・中段・下段と横渡り接続することで発電効率を上げる。

ストリングスの構成

遠方監視システムで積雪状態や運転状況などを把握

積雪状態は監視カメラで監視および記録し、状況に合わせてパネル面の雪の除去を行う。積雪時以外にも、このシステムにより故障および運転状況を監視する。最大発電量を保つため、発電電流をモニタリングし、そのデータから特定のストリング内に発生している不良を抽出し、故障発生時には現場へ担当者が直行して対応する。監視システムは地元企業のブルーマウステクノロジーが開発した技術を使用し、配線不要でストリング単位の発電電流を計測できる。測定値はPLC(電力線通信)により送信し、専用のSTB(コンピュータ)からインターネットに計測データを送信する。結果はスマートフォンなどからも確認でき、太陽光発電所のパネルレイアウトをそのまま絵にして、すぐに発電量の確認ができる。

豪雪地帯での太陽光発電、発電量の成果は

実証1年目の成果は下記の通り。

冬期、バネル上に積雪した状態でも、日照が2~3時間あれば、雪は滑り落ち発電を開始した。冬期間は、日射量の低下および積雪等で発電量は落ちるが、ある程度の発電量はのぞめるという実績が得られた。

また、積雪が地表面からバネル上まで達した場合には、バネル上の雪が滑り落ちなかった。そのため、バネルおよび架台の破損や発電量の低下を防ぐため、バネル上まで積雪する前に除雪を行う必要があった。今年度は2月中旬に積雪が1.8mに達したため、除雪を1回のみ実施した。

計画時は、積雪時の発電量はゼロで試算したが、今年度は年間発電量の約2.4%程度と、積雪による影響は少ないことがわかった。

また、日射量について弘前市と東京都を比較した場合、夏季はむしろ弘前市のほうが日射量が多く、こ年間平均にすると東京都と比較しても3.3%少ないだけという結果だった。これらの結果から、岩木山麓の豪雪地帯でも、日射量が多く発電効率の良い春~夏季は十分な発電量が確保でき、冬季においても積雪対策を考慮したパネル設置や、監視システムにより十分な発電量を確保することができ、太陽光発電の導入が可能であることがわかった。

同市はこの事業により、豪雪地域におけるメガソーラー実現のモデルとしての事業化を図るとともに、同市のエネルギーの地産地消等を推進する。

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