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経産省、今後の再エネ目標(案)発表 事業用太陽光発電は2030年に7円/kWh

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経済産業省は4日、非住宅用太陽光の発電コストについて、現在の約21円/kWhから、2020年に14円/kWh、2030年に7円/kWhへと引き下げる目標案を示した。

また、風力発電については、世界平均の約1.6倍におよぶ現行の発電コスト13.7円/kWhを、2030年までに8~9円/kWhを目指す考えだ。

同省は同日、本年度初会合となる有識者会議、調達価格等算定委員会を開催し、FIT法改正を踏まえた、来年度の再生可能エネルギーの買取価格や、新たに導入される大規模太陽光を対象とした入札制度、中長期的な買取価格の目標等の検討を開始した。

今回の委員会では、来年度の買取価格を決める前提となる、中長期的な買取価格の目標等について議論した。その中で、各電源の価格目標について資料で提示し、目指すべき方向性(案)を示した。

今後は「目標」をもとに買取価格が決まる!

これまでは、通常要する費用を基礎に買取価格を算定していたが、事業者の努力やイノベーションによるコスト低減を促す観点から、電源(買取区分)毎に中長期的な買取価格の目標を経済産業大臣が設定することとし、買取価格の決定においては価格目標を勘案して定めるものとする。なお、平成28年度の調達価格等算定委員会において、買取価格低減スケジュールについての意見を求める。

次回以降、入札制度における入札対象規模・入札量等や、来年度の各電源の買取価格等の設定について議論する。買取価格等は複数年度設定や、事業用太陽光における運転開始期限超過後の買取価格・期間の取扱いについても検討する。

各電源の価格目標に関する資料の主な内容は以下のとおり。

日本の太陽光発電は高い

太陽光発電については、システム費用が欧州の約2倍の水準にあるなど、そのコスト低減が課題となっている。買取価格については、これまで通常要する費用を基礎に算定していた。今後は買取価格決定方式において、FIT法改正も踏まえ、価格目標の設定や、入札制の導入を加えて、コスト効率的な導入を進めていくべき。さらに、低コスト化・高効率化の研究開発等を進め、FITから自立した形での導入を目指すべきだとした。

日本の太陽光発電の「目指すべき方向性(案)」

  • FITからの自立を目指し、以下の水準を達成。
  • 非住宅用太陽光:2020年で発電コスト14円/kWh、2030年で発電コスト7円/kWh
  • 住宅用太陽光:2019年で売電価格が家庭用電気料金(24円/kWh)並み、2020年以降、早期に売電価格が電力市場価格(11円/kWh)並み
太陽光発電について

風力発電は維持費も高い

風力発電については、資本費、運転維持費の高さや、設備利用率の低さにより、発電コストが高く、導入拡大と共にコスト低減を進めていくことが重要。そのため、FIT法改正を踏まえ、価格目標の設定や、複数年度価格の設定、価格低減スケジュール提示により、投資の予見性を与えつつ、コスト低減を促していくべき。さらに、導入環境整備や、低コスト化・設備利用率向上に向けた取り組みの支援(スマートメンテナンス等)を進めることにより、FITから自立した形での導入を目指していくべきだとした。

日本の風力発電の「目指すべき方向性(案)

  • 2030年までに、発電コスト8~9円/kWhを実現、FITから自立した形での導入を目指す。
風力発電について

中小水力発電は有望地点探索に時間がかかる

中小水力発電については、有望地点の探索や地元調整等に時間を要することによる開発期間が長いこと、資本費のうち特に土木設備(導水路等)のコストが高いことが課題となっており、認定案件の中でも、新設の案件はまだ限られている。

日本の中小水力発電の「目指すべき方向性(案)」

  • 当面はFIT制度に加え、流量調査等によるリスク低減を進め、新規地点開発を促進。
  • 新規地点開発後は低コストで発電可能であることも踏まえ、技術開発によるコスト低減等を進め、FITからの中長期的な自立化を図る。
中小水力発電について

地熱発電は環境アセスに時間がかかる

地熱発電は、地元調整や環境アセスメント等に時間を要すること等により開発期間が長いことや、掘削成功率が低く開発リスク・コストが高いことが課題となっており、1.5万kW以上の大規模案件は、FIT制度の開始後、まだ運転開始に至っていない。

日本の地熱発電の「目指すべき方向性(案)」

  • 当面は、FIT制度に加え、地元理解促進や環境アセスメントの迅速化等により、大規模案件の開発を円滑化。
  • 中長期的には、技術開発等により開発リスク・コストを低減し、FIT制度からの自立化を図る。
地熱発電について

バイオマス発電は燃料費ダウンが不可避

未利用木材等の木質バイオマス発電の特長としては、7割が燃料費であるため、これらの燃料費の中長期的な低減が不可避。また、継続的な発電に当たっては、安定的な燃料の供給が課題となっている。廃棄物発電やメタン発酵発電については、廃棄物処理事業や畜産業等の一部として、発電事業が実施されていることも踏まえ、関連施策とも連携し、全体として効率化を図っていくことが重要。

日本のバイオマス発電の「目指すべき方向性(案)」

  • 燃料の集材の効率化等の政策と連携を進めながら、FITからの中長期的な自立化を図る。
バイオマス発電について

資源エネルギー庁が本委員会で提示した資料には、このほか、再生可能エネルギーの現状とFIT法の見直しのポイント等がまとめられている。

改正FIT法では、調達価格等算定委員会に対し、買取価格や買取区分の設定だけでなく、「価格目標」「複数年度価格設定」「入札対象電源(電源規模等)」「入札実施指針」などについても意見を聴く仕組みとしており、新たに本委員会の役割が増える。

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