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環境省、岩手県での風力発電事業に意見 イヌワシに影響ある場合は見直しを

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環境省は13日、グリーンパワーインベストメント(東京都港区)が、岩手県において計画している、大規模な風力発電所を新設する事業に係る環境影響準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

環境大臣意見では、この事業により、絶滅のおそれのある希少猛禽類のイヌワシへの重大な影響を懸念し、その影響を回避するため、風力発電設備の6号機については、事業実施前に飛翔状況調査・植生調査を行い、餌場の利用阻害およびバードストライクの発生が回避できると専門家が判断する場合以外は設置の取りやめを含む抜本的な見直しを行うこと、また、イヌワシのバードストライクが発生した場合には、その風力発電設備の稼働を停止すること等を求めている。

この「(仮称)住田遠野風力発電事業」は、岩手県遠野市および気仙郡住田町(敷地面積:約607ha)において、最大で総出力99,750kW(定格出力2,850kW級の風力発電設備最大35基)の風力発電所を新設する事業である。

環境大臣意見では、本事業は恵まれた風況を活用するものであり、再生可能エネルギーの導入・普及の観点から望ましいものと評価する。一方、対象事業実施区域・周辺では、希少猛禽類を含む重要な鳥類およびほ乳類の生息が確認されていることから、希少猛禽類等への影響を回避・低減するための環境保全措置等を求めた。

また、工事用資材等の輸送に伴い、住居地域において環境基準値を上回る騒音が発生することが予測されていることから、工事用資材等の通行ルート調整等の追加的な環境保全措置により騒音を一層低減するよう努めるとともに、工事実施期間中には、追加的な環境保全措置の効果について確認することとしている。

今後、事業者は、環境大臣および関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

鳥類等への影響を回避・低減するために

対象事業実施区域・周辺は、「国内希少野生動植物種」に指定されたイヌワシを含む重要な鳥類およびほ乳類の生息環境となっているほか、対象事業実施区域では、イヌワシ、クマタカ等の希少猛禽類の飛翔が確認されており、本事業によるこれら希少猛禽類等への重大な影響が懸念される。特にイヌワシについては、対象事業実施区域の北側に、餌場として高頻度で利用されていると考えられるササ群落があるが、本事業は当該群落に風力発電設備を設置するため、餌場の利用阻害およびバードストライクの発生が懸念される。

そこで、前述の風力発電設備の6号機の設置に係る措置や、イヌワシのバードストライクが発生した場合の措置とともに、バードストライクの発生の可能性を低減するために、ブレード塗装等鳥類からの視認性を高める措置を設備稼働前に講ずること等を求めた。

イヌワシのバードストライクが発生した場合には、専門家の助言を踏まえて、当該風力発電設備および同様に衝突する可能性が高い風力発電設備を停止するとともに、原因を解決するための追加的な措置を行った上で稼働再開とすることとしている。また、その他の重要な鳥類およびほ乳類も含め、バードストライクまたはバットストライクが発生した場合の対応措置について、あらかじめ定めて実施することを明記している。

グリーンパワーインベストメントは、風力発電や太陽光発電の開発・施工・運営を手掛ける。主要株主は、サンフランシスコに本社を置く再生可能エネルギーの開発・送電会社のパターン・エナジー・グループ・LP、日本政策投資銀行、三井住友ファイナンス&リース。


環境影響評価法および電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書※について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。本件は、岩手県の「(仮称)住田遠野風力発電事業」に係る環境影響評価準備書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。

なお、環境影響評価準備書とは、環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書のこと。

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