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再生可能エネ、発電量の真実

再生可能エネルギー 海外最新事情

中村 有吾

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魅力的に映る日本の市場

7月1日、固定価格買取制度が無事スタートした。住宅用太陽光を除いて停滞していた日本の新エネルギービジネスは、大いに活気づいている。海外からの視線も熱い。筆者のもとには、アメリカ・ヨーロッパ・アジア近隣諸国から、これまでになく具体的で、真剣な問い合わせが数多く届いている。新しい新エネ支援策が導入された日本に興味津々なのだ。

実は、世界の新エネルギービジネスは熾烈な競争の只中にある。ふたつのデータをもとに現状を見てみよう。

ひとつめは「株価」。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは米ワイルダーヒル社とともに、世界のクリーン・エネルギー企業約100社で構成された株価指数「NEXクリーン・エナジー・インデックス」を公表している。2003年初を100として、その後の推移を代表的な指数であるナスダック、S&P500と比較してみよう。これによると、2007年後半にピークを迎えたクリーン・エネルギー企業の株価は2008年の金融危機により大幅に下落。2009年に持ち直したものの昨年後半から今年前半に掛けては2009年の底値を下回った。S&P500やナスダック指数と比較しても低迷していることがお分かりいただけるだろう。

図1 NEXクリーン・エナジー・インデックス(※クリックで拡大)

ふたつめは「投資額」。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは2004年から四半期毎のクリーン・エネルギー投資額を取りまとめている。世界の新規投資額を積み上げてみると、そのピークは2011年第2四半期(4~6月)の725億ドル(1ドル80円で換算して5兆8千億円)。その一年後の今年第2四半期は596億ドル(同4兆8千億円)となり、ピークから18%減少している。

図2 世界のクリーン・エネルギー投資額(※クリックで拡大)

株価の変調と、投資額の伸び悩み。そんな中で積極的に新エネルギーに取り組み始めた日本。注目が集まるのは当然のことと言えるだろう。

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この記事の著者

中村 有吾氏
中村 有吾(なかむら ゆうご)

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのリード・アナリスト兼東京支社マネージャー。出光興産にてLPガスの消費者安全・機器販売施策の推進担当を皮切りに、多くのエネルギー関連業務を歴任。石油製品貿易、国際石油市場分析、排出権事業、温暖化対応戦略企画等の幅広い経験を持つ。その後、世界銀行、RNK Capitalにおいて、エネルギーおよび排出権関連の複数の国際的プロジェクトを担当。2010年にブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス東京支社を開設。以来、「日本の再生可能エネルギー市場見通し」、「日本の再生可能エネルギーコスト分析」、「固定価格買取り制度の導入に進む日本」等のレポートを執筆している。


・早稲田大学卒、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院
 国際公共政策修士
・CFA協会認定証券アナリスト



ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは、世界のクリーンエネルギー分野を分析する独立系調査会社。再生可能エネルギー、エネルギースマート技術、排出権市場などを網羅的に分析する約200名の専門家グループから構成され、有力な投資家、企業および政府関係者などに対してニュース、データ、リサーチを提供している。

 分析の結果は、資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会において、再生可能エネルギー固定買取価格を決定する際の参考資料として引用されるなど、独立かつ有益な情報源として各方面で活用されている。世界各国(ロンドン、チューリッヒ、ワシントンD.C.、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京、北京、ニューデリー、シンガポール、香港、シドニー、ケープタウン、サンパウロ)の拠点にスタッフを配置している。

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