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再生可能エネ、発電量の真実

アメリカのクリーン・エネルギーはどこへ行く

中村 有吾

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オバマ大統領が再選された。「グリーン・ニューディール」で経済危機からの脱却とクリーン・エネルギーの大幅拡大を掲げてから早4年。この稿では、オバマ政権の下、アメリカのクリーン・エネルギー市場がどのように発展してきたのか、また、今後成長を続けることができるのか分析してみたい。連邦政府は、クリーン・エネルギーとして次世代自動車、バイオ燃料、スマート技術、省エネルギーなどを含む幅広い分野を視野に入れているが、本稿では風力太陽光発電を中心に取り上げる。

経済再生を託されたクリーン・エネルギー市場

まずは、アメリカが世界のクリーン・エネルギー市場でどのような位置にあるのかを見てみよう。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの調査によると、アメリカの2011年クリーン・エネルギー新規投資額は507億ドル。中国を上回りランキング第1位だった。金額ベースでみると、オバマ大統領が就任した2009年以降、まずは風力が、更には、太陽光がけん引役となって投資が伸びてきた。4半期毎の実績を見ると、ピークは昨年第3四半期の189億ドル。以降は、四半期あたり100億ドルまでのペースでの新規投資となっている。

米国部門別新規投資額、2004-2012年第3四半期(十億ドル)

(図1 米国部門別新規投資額、2004-2012年第3四半期(十億ドル))

2008年9月に発生した金融危機は、クリーン・エネルギー投資の先行きに暗い影を落としたが、連邦議会の対応は素早かった。10月には省エネルギー再生可能エネルギーへの補助拡大を含む、「緊急経済安定化法」が成立(当時、オバマ氏は上院議員)。更に、オバマ大統領就任直後の2009年2月には「アメリカ復興・再投資法」が成立し、政府主導でクリーン・エネルギーに総額800億ドル(現在の為替レートで6兆4千億円相当)規模のテコ入れが行われることとなった。クリーン・エネルギーは、大規模な予算を伴う目玉政策となり、新規投資額は2009年第1四半期の30億ドルを底に、回復することとなる。

(※全文:4,380文字 画像:あり)

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この記事の著者

中村 有吾氏
中村 有吾(なかむら ゆうご)

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのリード・アナリスト兼東京支社マネージャー。出光興産にてLPガスの消費者安全・機器販売施策の推進担当を皮切りに、多くのエネルギー関連業務を歴任。石油製品貿易、国際石油市場分析、排出権事業、温暖化対応戦略企画等の幅広い経験を持つ。その後、世界銀行、RNK Capitalにおいて、エネルギーおよび排出権関連の複数の国際的プロジェクトを担当。2010年にブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス東京支社を開設。以来、「日本の再生可能エネルギー市場見通し」、「日本の再生可能エネルギーコスト分析」、「固定価格買取り制度の導入に進む日本」等のレポートを執筆している。


・早稲田大学卒、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院
 国際公共政策修士
・CFA協会認定証券アナリスト



ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは、世界のクリーンエネルギー分野を分析する独立系調査会社。再生可能エネルギー、エネルギースマート技術、排出権市場などを網羅的に分析する約200名の専門家グループから構成され、有力な投資家、企業および政府関係者などに対してニュース、データ、リサーチを提供している。

 分析の結果は、資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会において、再生可能エネルギー固定買取価格を決定する際の参考資料として引用されるなど、独立かつ有益な情報源として各方面で活用されている。世界各国(ロンドン、チューリッヒ、ワシントンD.C.、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京、北京、ニューデリー、シンガポール、香港、シドニー、ケープタウン、サンパウロ)の拠点にスタッフを配置している。

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