雷対策を忘れるな

雷対策はリスクマネジメントで考える IEC規格では対応不十分な冬季雷

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雷対策について横山氏は「リスクマネジメントを念頭に置いて実施すべき。人家が近くにあるかどうか、すなわち人体に対する被害が考えられるか否かで大きく変わる」と語る。風力発電設備は設置される場所によってそのリスクが変わる。北海道南部から山陰にかけての日本海側は雷の発生しやすい対策重点地域で、その他の地域と違う。また冬季雷と夏季雷では放電の際の電荷量も大きく異なり、その被害にも自ずと違いが出る。「冬季雷は同じ雷かと思うほど夏季の雷とは差がある。冬季雷は高構造物に落雷が集中しやすく、放電1回あたりの電荷量が極端に大きいのが特徴である」と指摘する。

対策重点地域ではブレード、電力機器・制御機器、設備全体で対策を万全に施す必要があり、特に冬季雷は300クーロンを超えることが多いので注意が必要となる。ダウンコンダクタは国際規格IECで対象となる保護レベル1で300クーロンを想定しているが、これでは不十分だ。NEDOが04~06年に行った調査で、対策重点地域にあたる石川県碁石ヶ峰では冬季に300クーロン以上の電荷量の落雷を複数回計測しており、他の地域でも冬季に300クーロン以上を多数観測している。そこでダウンコンダクタには600クーロン以上の雷電流を対象にすることが望ましい。

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