多くの企業が環境経営に取り組んでいるが、そもそも、なぜ環境経営が必要なのだろうか。
海面上昇や生態系の損失などの劇的な変化が何℃上昇で起きるかわからないが、既に影響が出始めている。
国立環境研究所 地球環境研究センター副センター長の江守正多氏の解説で、原点に立ち返り考察する。
平均気温は既に1℃上昇地球温暖化は人類の危機
実際に温暖化問題はどれほど深刻なのか。気候変動研究の第一人者である江守正多氏はこう説明する。「世界の平均気温は、産業革命以降、既に1℃上昇しています。これによる影響は出始めており、例えば、今年2020年は、熊本が梅雨前線豪雨により甚大な被害を受けました。2019年は台風15号や19号、2018年は西日本豪雨や台風21号など、毎年のように記録的豪雨が発生しています。この背景には、気温の上昇により大気中の水蒸気が増え、降水量が増していることがあります」。
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