環境省は2021年、「廃棄物・資源循環分野における2050年のGHG排出ゼロに向けて、中長期シナリオを作成。GHG排出の範囲やGHG削減対策の実施にあたっての基本的な考え方を整理し、企業などが取り組むべき方向性を明らかにした。一方で、CO2排出量削減に過剰なまでに熱心な日本企業は、GHG排出源である廃棄物量削減の重要性が欠落しているようだ。
焼却される廃棄物から発生するGHG認識が欠乏
廃棄物分野のGHG排出量は2000年度から2003年度をピークに、その後は2009年度まで減少傾向が続き、近年は横ばいで推移している。
2019年度の廃棄物分野全体のGHG排出量は約3970万トンであり、1990年度からは約100万トン、2013年度からは約50万トンの減少となっている。内訳を見ると、「廃棄物の焼却および原燃料利用に伴うCO2、CH4(メタン)、N2O(一酸化二窒素)排出」が約3230万トンCO2と廃棄物分野全体の約81%を占め、「排水処理に伴うCH4、N2O排出」が約360万トン(約9%)、「埋立てに伴うCH4排出」が約280万トン(約7%)と続く。
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