GREEN SHIPS~海外から押し寄せるグリーンビジネス~

脱原発は正しかったのか ドイツ経済・気候保護省の政務次官に聞く(前編)

  • 印刷
  • 共有

環境先進国との呼び声も高いドイツ。環境に対する意識は国民レベルにまで強く浸透しているといわれる。

環境ビジネス編集部は2月19日、ドイツ経済・気候保護省の政務次官(日本でいう経済産業省副大臣)として、エネルギー政策(熱・水素および効率・電力)・気候保護の担当を務めたシュテファン・ヴェンツェル氏に自国の気候危機対策への評価や、エネルギー分野において日本企業と協業していきたい点について話を聞いた(本記事は前編)。

電化を進めるドイツ

ドイツ経済気候保護省のシュテファン・ヴェンツェル政務次官
ドイツ経済・気候保護省のシュテファン・ヴェンツェル政務次官

――ドイツが取り組んでいる気候危機対策の現状や目標、今後どう目標達成に向けて進めていくお考えかお聞かせください。

我々は日本と同様にパリ協定、UAEコンセンサス(2023年開催の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の合意文書)に署名しました。

ですので、国の経済全体でエネルギー効率を良くしていくことを第1に考えています。また再生可能エネルギーの割合を大きく高めています。

さらに、色々な分野で電化を進めています。特に交通分野では可能な限り電動に切り替えています。

貨物輸送の分野でも電動トラックが増えていますが、これは5年前には不可能と思われていました。船舶・航空の分野でのみ、カーボンニュートラルな合成燃料や水素とその派生物が活用されていく予定です。

ドイツには世界最大の合成燃料製造施設がありますが、数年以内に第2の大規模施設が設立される予定です。

現在、ドイツの発電量における再生可能エネルギーの割合は約60%ですが、電力供給の安定性は以前と変わらず、ドイツは日本同様世界でも電力供給の安定性が最も高い国のひとつです。

電力における再生可能エネルギーの割合は2030年までに80%に引き上げられる予定です。

画像はイメージです
画像はイメージです

――2月23日に総選挙があります(結果は、最大野党の中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)」が最多得票を集め、極右的な政策を掲げる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」、現与党の社会民主党(SPD)、同盟90/緑の党が続いた。なお、同盟90/緑の党所属のヴェンツェル氏は出馬していない)。選挙の結果がどうであれ、ドイツのエネルギー転換政策は大きく変わらないとみていますか?

続きは有料会員になるか、この記事の購入後にお読みいただけます。

  • 実務に直結する有益なオリジナル記事を掲載
  • 有料会員になると購入不要で全記事読める(登録月無料)
  • 有料会員は「補助金情報検索システム」も利用可能
  • ポイントは記事の感想ボタンで貯められます
無料会員
300pt
有料会員
0pt

※記事単位での購入は
ポイントが必要です

関連記事