「地域脱炭素を進めるための行政の役割とは何か?」。地域脱炭素を成功させるためには、行政による地域特性の把握や将来ビジョンの策定が重要となる。関係者の求心力を高め、個々のステークホルダーが持つ特性を最大限に引き出しながら進めていく方法とは。PwCコンサルティングのディレクター髙橋 信吾氏に寄稿してもらった。(連載第2回、バックナンバーはこちら)
地域脱炭素の推進に向けた成功の要諦
前節では、地域脱炭素の取り組みを阻害する、いくつかの共通課題を見てきた。本節では、行政(主に自治体担当者)の果たすべき役割に焦点を当て、これらの課題を克服し、地域脱炭素の取り組みのスケールアップにつなげるための成功の要諦について提示する。
要諦Ⅰ:地域特性の現状把握(産業特性、人口特性、歴史的・地理的特性など)
地域脱炭素を推進する際には、その地域の特性を把握し、それに応じた戦略、対策を検討することが重要になる。