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大林組、風力発電の適地を計測する新手法の開発に着手

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大林組、風力発電の適地を計測する新手法の開発に着手

大林組は、山間部などの複雑な地形の中でも安定した発電事業を実現するため、風力発電施設の好適地をピンポイントで計測できる風況予測手法の開発と、複雑な地形における風況データの蓄積を開始したと発表した。2014年3月完了を目標に取り組む。

風力発電は、再生可能エネルギー電力の全量買い取り制度(FIT制度)がスタートしたことを受けて、従来は事業化が難しいとされてきた立地でも、事業成立の可能性が高くなり、山間部などの複雑な地形に設置するケースが増加すると見込まれている。

従来の風況予測モデルは、想定した地形の平均風速(年平均、月平均)を主に予測し、立地の評価を行ってきた。しかし、今後の立地が見込まれる山間部などの複雑な地形においては、風車による発電量は、風の性質に多分に影響を受ける。

特に、風の乱れは発電効率の低下や故障などの大きな原因となり、事業性を損なう可能性もあるため、風の乱れが大きい場所は、風力発電の立地として極力避ける必要がある。

そこで、同社は、風力発電施設の立地可能性をより詳細に評価するため、風の乱れの予測も可能とする新しい風況予測モデルの開発に着手した。

合わせて、複雑な地形の風の特性をより詳細に把握するため、青森県上北郡の社有地と国有林に観測タワーを1基ずつ合計2基設置し、風況データの収集を開始した。複雑地形における風況予測手法を確立することによって、風力発電事業者のニーズに対応する。

開発する風況予測手法の特長として、以下の3点をあげる。

1.風の質が分かる精度の高い風況予測
従来の平均風速だけでなく、風の乱れの予測も可能な、LES(ラージ・エディ・シミュレーション)手法を基礎においた風況予測解析手法を開発する。LES手法は、樹木などの障害物や尾根、谷といった地面の起伏等の複雑な地形により発生する風の分布状況を計算する手法。また、風観測から得られた複雑な地形での風の特性に関する知見を予測モデルの精度検証に活用しながら開発を進める。

2.事業性評価の早期化と風車配置の最適化
プレフィージビリティスタディ(事前実現可能性調査)段階の風況予測が向上するため、事業性の成否を早い段階で判断できる。また、風の乱れの影響が大きい場所を避けて、風車の配置を最適化することができるため、安定した発電事業が可能となる。

3.観測点を最少化
適地をピンポイントで予測できることから、風況観測の観測点を従来に比べて少なくすることが可能で、事業のコストダウンが図れる。

風力発電の有望地域としては、NEDOの「風力発電導入ガイドブック」で、局所風況マップ(地上高30m)において年平均風速5m/s以上の地域としている。年間を通じて風が強い海岸や、緩やかな丘陵などが風力発電の好適地であり、条件の良い場所には既存の風車があることも少なくない。

また、日本風力発電協会は、2050年の風力発電の長期導入目標値を、国内需要電力量の10%以上に相当する5万MWとし、2010年度の導入実績2,442MWに対して2020年度で1万1,300MW、2030年度で2万8,800MW、2040年度で4万6,200MWとロードマップを示している。今後、風力発電の需要拡大が見込まれている。

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