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エネルギー関連技術の特許出願、日本がシェア1位 韓国・台湾が躍進

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経済産業省特許庁は、太陽電池スマートグリッド等のエネルギー関連技術やクールジャパンという観点から10テーマを選定して、平成24年度の特許出願動向調査を実施した結果を公表した。

今回、調査を行ったのは、再生可能エネルギー省エネルギー関連技術を中心に、それを支えるIT技術、エレクトロニクス技術、材料技術に至るまで、幅広い技術分野から9テーマ。これに加え、クールジャパンの観点や大規模災害の発生により注目されている非常食という観点から1テーマ(インスタント麺関連技術)を調査した。

出願人の国籍別に出願件数をみると、全てのテーマにおいて日本勢の出願シェアは1位を占めた。エネルギー技術分野を中心に日本が出願シェアで圧倒的に優位にあり、技術開発力が高いということが確認できた。

一方で、出願人ランキングを見ると、LED照明リチウムイオン電池、タッチパネル利用を前提としたGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)といった消費者向けの製品に近い技術分野においては、これまでランキング外であった韓国や台湾の企業が上位に入っており、近年、急速に技術開発力を伸ばしていることがわかった。

各テーマの調査結果概要は以下の通り。

1.太陽電池

  • 日米欧中韓台等への出願件数は、日本勢からの出願が32.7%を占める。次いで、米国勢が20%、欧州勢が19%と続いている。
  • 太陽電池の材料別の出願件数は、日本勢、韓国勢、台湾勢は色素増感型が最も多いが、欧米勢は少ない。米国勢は化合物薄膜系が、欧州勢は結晶シリコン系に関する出願件数が最も多い。課題別では、変換効率の向上が37.2%を占めている。解決手段別では、太陽電池に関する技術全般が幅広く出願されている。
  • 太陽電池関連の注目技術としては、裏面電極技術(バックコンタクト)、HIT技術、集光型太陽電池、発電システム、封止材、裏面保護材を取り上げた。これらの注目技術の中では、日本勢はは部材関連の裏面保護材と封止材、HIT技術で圧倒的優位であり、裏面電極構造技術でも優位である。集光型太陽電池と発電システムに関する出願件数は欧米勢の方が多い。

2.リチウムイオン電池

  • 日米欧中韓への出願件数は、日本勢は約53%を占めている。次いで韓国勢、中国勢が続いている。
  • 近年、中国勢と韓国勢の出願が増加傾向にあり、出願人ランキングでは、韓国企業が1位と3位に入っている。

3.高効率照明

  • 日米欧中韓台への出願件数は、LED照明では日本勢は約24%、EL照明では日本勢は約64%を占めている。
  • 出願人ランキングでは、台湾企業が1位に入っている。

4.スマートグリッドを実現するための管理・監視技術

  • 日米欧中韓等への出願件数は、日本勢は約45%を占める。次いで米国勢、欧州勢が続いている。
  • 出願人ランキングでは、上位10位に日本企業8社が入っている。

5.パワーコンディショナ

  • 日米欧中韓への全出願件数に対する日本国籍出願人の出願件数比率は、約47%。次いで欧州勢、米国勢が続いている。
  • 風力発電用のパワーコンディショナーの市場シェアや特許シェアは、欧米企業が上位を占めている。

6.タッチパネル利用を前提としたGUI及び次世代UI(ユーザーインターフェイス)

  • 日米欧中韓への出願件数は、日本勢は約37%を占める。次いで韓国勢、米国勢と続いている。
  • 近年、韓国勢が多く出願をしており、出願人ランキングでは、韓国企業が1位と2位に入っている。

7.磁性材料

  • 日米欧中韓への出願件数は、日本勢は約76%を占める。次いで中国勢、欧州勢と続いている。
  • 近年、中国からの出願が増加している。

8.人工光合成

  • 日米欧中韓への出願件数は、水の光分解による水素製造技術では日本勢は約43%、水素混合ガスの分離による水素精製技術では約49%とともに最も高い出願シェアとなっている。
  • 水素精製技術の出願人ランキングでは、フランスの会社が1位となっている。

9.光エレクトロニクス

  • 日米欧中韓への出願件数は、日本勢は約49%を占めている。次いで米国勢、欧州勢が続いている。
  • 出願人ランキングでは、韓国企業が5位に入っている。

10.インスタント麺

  • 日米欧中韓台等への出願件数は、日本勢は約64%を占める。次いで欧州勢、中国勢と続いている。
  • 近年、中国からの出願が増加している。

本調査は、同庁が社会的に注目されている技術分野もしくは今後の進展が予想される技術分野を選定し、国内外の特許情報に基づいて多面的に技術動向を分析した特許出願技術動向調査として実施しているもの。

これら調査結果について、今後、同庁での審査・審判の基礎資料として活用するとともに、企業や大学等の研究開発戦略策定の際の検討用資料として、また、産業政策、科学技術政策の基礎資料として、産学官に広く情報発信していく。

なお、平成25年度はロボット、幹細胞関連技術、ビッグデータ分析技術、社会インフラメンテナンス技術等について調査を実施する予定。

【参考】
経済産業省 - 注目技術分野における特許の出願動向調査結果をとりまとめました

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