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カナダ・オンタリオ州の再エネ買取制度、地元優遇でWTOから是正勧告される

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世界貿易機関(WTO)は、5月6日(ジュネーブ時間)、日本及びEUの申立てに基づきWTOで審理されてきたカナダ・オンタリオ州の再生可能エネルギーの固定価格買取制度における州産品優遇措置「ローカルコンテント要求」に関して、申立国の主張を概ね認め、カナダの措置をWTO協定非整合的であるとし、措置の是正を求める上級委員会の報告書を公表した。

本件は、WTO紛争案件として、再生可能エネルギー分野における自国産品優遇措置がWTO協定違反と判断された初のケースとなる。

上級委員会報告書は、5月24日に開催されるWTO紛争解決機関(DSB)の会合において正式に採択される見込みで、その後DSBの勧告となる。日本は、この上級委員会の判断を歓迎するとともに、今回の報告書を受け、WTO協定に整合しないと認定された措置をカナダが誠実かつ速やかに是正することを求める。

カナダ・オンタリオ州が2009年に導入した、風力・太陽光発電による電力の長期固定価格保証制度(FITプログラム)において、適用条件として、同州内で一定割合以上の付加価値(原材料調達や組立て等)を与えられた発電設備を使用することが義務付けられている(ローカルコンテント要求)。本措置により、太陽光パネル等の製品を生産する日本企業など国外企業は、オンタリオ州向けの輸出において不利な扱いを受けている。

そのため、日本及びEUがWTOのGATT(関税及び貿易に関する一般協定)第3条(内国民待遇義務)等に違反するものであるとして、WTO紛争解決手続に申し立てていた。2011年7月に、本件の審理を行うWTO紛争処理小委員会(パネル)が設置された。パネルは、2012年12月に報告書を公表し、オンタリオ州の本措置について、WTOのGATT第3条等に違反するとの日本の主張を概ね認める判断を示した。

しかし、このパネル報告に関し、2013年2月、カナダはパネル判断を不服として上訴(WTO紛争処理上級委員会への申し立て)を行った。これを受け、日本とEUも、それぞれパネル報告において主張が認められなかった論点について上訴を行った。その後、2013年3月に上級委員会会合が開催され、今回、上級委員会は本措置に関する報告書を公表した。

現在WTOでは、EU(ギリシャ・イタリア等)のFIT制度におけるローカル・コンテント要求を中国が協議要請したケース(DS452)やインドの太陽光発電分野におけるローカル・コンテント要求を米国が協議要請したケース(DS456)などが係争中である。

経済産業省では、本件に関するパネル・上級委員会判断は、先例として、これら他国の類似措置に関するケースにも影響を与えると考えられ、成長産業と位置づけられる再生可能エネルギー分野の保護主義を抑止する観点からシステミックに重要な意義を有するものと説明している。

【参考】
WTO、カナダの再エネ買取制度の州産品優遇措置は違反と判断 日本の主張通る(2012/12/21)
経産省 - WTOカナダ・オンタリオ州の州産品優遇措置がGATT違反等と判断されました

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