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NEDO、ドイツで太陽光発電の電力を自家消費する「地産地消」モデルづくりへ

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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、8日、ドイツで、シュパイヤー市、シュパイヤー電力公社、住宅供給公社GEWO(ゲボ)社などと協力し、エネルギー地産地消型のスマートコミュニティ実証事業に向けた事前調査を開始すると発表した。

本事業では、日本の優れた蓄電技術、ヒートポンプ温水器のような蓄熱技術、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)の機能を実現するICT技術により実証システムを構築し、実際の生活環境のなかでの運転を通じて、太陽光発電で発電した電力を地産地消する「自己消費モデル」の確立などを目指すもの。

これにより、ドイツの重要課題である太陽光発電からの逆潮流抑制に貢献するとともに、住宅における熱を含めたトータルのエネルギーコストを低減する効果の実証も行う。

また、NEDOは、本事業に係る公募を実施し、NTTドコモ、NTTファシリティーズ、野村総合研究所、日立化成、日立情報通信エンジニアリングを本事業の委託予定先として決定した。

本事業では、実証前調査を2015年3月20日まで行い、実証を2014年度の事業化評価終了後から2017年度までの約3年間に行う予定。

2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入された日本でも太陽光発電、風力発電の導入が伸びており、遅くても5~10年後には、現在のドイツと同じような課題に直面すると予想される。既に2014年段階で系統の制約で太陽光発電の受け入れが困難な地域が発生しているドイツで、「地産地消」技術の実証を行うことは、日本にとっても将来の課題解決に活用できると考えられる。

本事業の概要について

ドイツでは現在、電力需要の20%以上を再生可能エネルギーで賄っており、政府はその比率を2020年に35%、2050年に80%にする目標を掲げている。しかし、太陽光発電のコスト低減に伴い、すでに再生可能エネルギーの発電コストが、電力系統から購入する電気料金と等しくなる「グリッドパリティ」が成立しており、固定価格買取制度が事実上終了している。このため、太陽光発電設備を設置した電力需要家が太陽光発電によって発電した電力を電力会社に売電するメリットが失われた状況になっている。

また、太陽光発電からの逆潮流は配電線の容量制約から受け入れられにくく、既にインバータの出力抑制を住宅用太陽光発電設備にも課しており、太陽光発電によって発電した電力を極力、自家消費し、電力会社に売電しないシステムを構築することが喫緊の課題となっている。

なお、逆潮流とは、太陽光・風力発電等の自家発電設備が電力系統に連系され運転されている状態において、消費する電力よりも発電する電力が大きくなり、発電者の構内から電力系統へ向かう電力の流れのことをいう。

このような背景から、NEDOは、再生可能エネルギー導入の先進国の一つであるドイツで、太陽光発電設備を設置した電力需要家の経済的なメリットを高めるとともに、逆潮流による配電系統の電力品質低下に対処するため、本実証事業に向けた事前調査を開始する。

【参考】
NEDO - 「ドイツ連邦共和国におけるスマートコミュニティ実証事業」に係る実施体制の決定について

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