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PPSの悩みの種、インバランスを抑制できるか? 蓄電池を群制御するシステム

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PPSの悩みの種、インバランスを抑制できるか? 蓄電池を群制御するシステム

福岡県みやま市とエプコは、蓄電池を群制御する「アクティブグリッド」を用いて、インバランス(消費電力量と発電電力量との差分)を抑制するシステムを構築し、地域PPS(特定規模電気事業者)による再生可能エネルギーの利用を促進する事業を実施する。

両社は22日、本事業が経済産業省の「平成26年度 地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業(モデル構築事業のうち再生可能エネルギー導入拡大に向けた取組に係るもの)」に採択されたと発表した。

この推進事業は、再生可能エネルギー導入拡大に向けた取組みを行い、地産地消型エネルギーシステムの構築に関するノウハウの共有化および他地域への展開を図ることを目的としている。

分散型エネルギーである再生可能エネルギーの導入拡大やエネルギーの地産地消を進めていくには、自治体など地域が主体となって導入促進を図ることが重要である。しかし、地域PPSは一般的に「30分同時同量(30分単位で消費電力量と発電電力量の同時同量を達成すること)の難しさ」「インバランスリスク」「再生可能エネルギーの利用の難しさ」「価格競争」といった4つの大きな課題を抱えている。

PPSの課題

PPSの課題

そこでこの事業では、「アクティブグリッド」を用いてインバランスを抑制するシステムを構築し、これらの課題の解決を目指す。これにより地域PPSモデルを活性化すると同時に、地域PPSによる再生可能エネルギーの利用を容易にすることで、再生可能エネルギーの導入拡大を目指す。また、これを地域PPSのモデルとして、他地域にも展開していく考えだ。

アクティブグリッドの概念について

アクティブグリッドの概念

アクティブグリッドの概念

既存電力システムと需要家・分散電源との間に、事業者によってネットワーク制御された蓄電池網(=能動的に電力の出し入れをする仮想電力網:アクティブグリッド)を挟み込む。

上層側(既存電力システム)にとっては計画的な発電・需要が望ましく、一方で下層側(需要家・分散電源)は必要なときに必要なだけ電力を消費・発電したいという要求がある。アクティブグリッドにより上下層の要求をできるだけ両立しつつ、既存電力システムと融合した仮想的なマイクログリッド(小規模な地域内で太陽光発電や蓄電池などを組み合わせて電力を合理的に供給する地域インフラ)を実現させる。

このようなアクティブグリッドの効果を応用し、地域PPSの需給インバランスの抑制を行う。結果的に、再生可能エネルギーが持つ「自然エネルギーとしての不安定性」を緩和させ、再生可能エネルギーを地域PPSが計画的に利用できる状態にすることを目指す。

またアクティブグリッドの充放電制御を工夫することで、付加サービスの技術的可能性についても検討する予定。さらにアクティブグリッドは仮想網であるため、規模の拡大が容易。また、規模が大きくなればなるほど調整力が増し、結果的に再生可能エネルギーの導入拡大につながる。

みやま市とエプコのこれまでの取組みについて

みやま市は、筑邦銀行ならびに九州スマートコミュニティとともに、電力売買事業会社を設立。エプコと共に4月1日より電力小売りに係る事業を開始している。本事業会社では地域金融機関と民間のノウハウを活用した地方創生のモデルケースとして、分散型・自立型エネルギーシステムの構築を目指している。

初年度は公共施設や市内民間企業への電力販売により1.4億円の販売を計画、2016年の電力小売り全面自由化後、2018年には14億円の販売を目指し、電力と市民への生活支援サービスをセットにした販売を計画している。

またみやま市は、エプコと共同事業協定を締結し「みやまHEMSプロジェクト」に取り組んでいる。本プロジェクトでは、昨年度経済産業省の大規模HEMS情報基盤整備事業を通じて、約2,000世帯のモニターに対し、電力データを利活用した生活支援サービスを提供している。

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