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「接続可能量」、名称が誤解を招くため変更へ 新名称「30日等出力制御枠」

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「接続可能量」、名称が誤解を招くため変更へ 新名称「30日等出力制御枠」

経済産業省は9日に開催した系統ワーキンググループ(第6回)において、太陽光発電風力発電の「接続可能量」の算定方法と今後の取扱い等について検討した。

この中で、同省は、「接続可能量」の名称を見直す考えを示した。2つの概念に分けて、毎年度算定するものは「○○年度算定値」、固定価格買取制度(FIT)において、電力会社が30日、360時間(太陽光)、720時間(風力)の出力制御の上限を超えて出力制御を行わなければ追加的に受入不可能となる時の接続量を「30日等出力制御枠」とする。

また、今回の系統ワーキンググループ(WG)では、新たに風力発電の「接続可能量(30日等出力制御枠)」を設定する方針も提示した。

需要の変化や電源構成の変化等による、「接続可能量」の見直しの考え方についても盛り込んだ。接続申込量が「30日等出力制御枠」に未達の場合には、「接続可能量(各年度算定値)」を踏まえて、「30日等出力制御枠」を繰り上げる。一方、接続申込量が「30日等出力制御枠」を既に超過をしている場合は、見直しをせず全体の出力制御量の緩和に活用するというものだ。

同省が提示した資料の概要は以下のとおり。

1.再生可能エネルギーの「接続可能量」の算定について

系統ワーキンググループ(WG)のこれまでの経緯

2014年9月に太陽光発電の大量申し込みにより接続保留問題が発生したことを受けて、10月に「接続可能量(2014年度算定値)」の算定について検討開始し12月にその算定結果を公表。2015年3月に出力制御見通しを策定した。

「接続可能量(2015年度算定値)」の算定方法に関する考え方

・年間を通しての「接続可能量(2015年度算定値)」算定のイメージ

  1. 太陽光・風力の出力が大きい状況では、火力電源を安定供給に必要な最低出力とする。
  2. その上で、電気の供給量が需要量を超過する場合、まずは揚水運転を実施し、できる限り余剰の再エネ電気を吸収。
  3. それでもなお、太陽光・風力の余剰電力が発生する場合は、年間30日、年間360時間(太陽光)、年間720時間(風力)を上限とする出力制御を実施。
  4. 1発電所当たりの再エネ電気の出力制御日数が年間30日、年間360時間(太陽光)、年間720時間(風力)まで達するまで、太陽光発電・風力発電を受入れることとし、「接続可能量」を算定。

・風力の「接続可能量」の算定にあたって

昨年の系統WGにおいては、各社が公表している風力発電の「連系可能量」を前提として、太陽光発電の「接続可能量(2014年度算定値)」を算定し、太陽光発電の「接続可能量(30日等出力制御枠)」を設定した。

今回の系統WGにおいては、太陽光発電の「接続可能量(2015年度算定値)」の算定に加え、太陽光発電の「接続可能量(30日等出力制御枠等)」を前提とした、風力の「接続可能量(2015年度算定値)」を算定する。

また、昨年の系統WGにおいて算定した太陽光発電の「接続可能量(2014年度算定値)」と同一の前提条件下で、風力の「接続可能量(2014年度算定値)」についても併せて算定し、最終的に風力発電の「接続可能量(30日等出力制御枠)」を決定する。

なお、今回の系統WGにおいて、日本風力発電協会(JWPA)より以下の「風力発電の出力制御の実施における対応方針」が示された。

  1. 既契約の一部見直しにより、既設も含めた全ての風力発電所に新ルール(720時間)を適用
  2. 部分制御を考慮した時間評価(部分制御考慮時間)※の適用
  3. エリア内の全ての風力発電所に対して一律に部分出力制御を指令し、自動又は手動で制御。

このため、JWPAの提案が着実に実行されることを前提とした、風力の「接続可能量(2014年度算定値、2015年度算定値)」についても算定を行うこととする。

※部分制御考慮時間のイメージ
ケース1:出力制御値の制御指令が定格出力の0%までの全部制御とする場合
→ 出力制御量は最大で定格出力の100%分となるため、出力制御時間は1時間×100%=1時間とみなす。
ケース2:出力制御値の制御指令が定格出力の70%までの部分制御とする場合
→ 出力制御量は最大で定格出力の30%分となるため、出力制御時間は1時間×30%=0.3時間とみなす。

2. 出力制御の見通しについて

出力制御の見通しの算定に当たっての前提は、「接続可能量(2015年度算定値)」の算定に用いた前提と同様に置くこととする。

出力制御の見通しは、前提と同様の条件が揃った場合に発生するものであり、実際に発生する出力制御の時間数等については、電力需要や電源の稼働状況などによって変動することに留意する必要がある。

その他、出力制御見通しの算定にあたっての基本的な考え方(2015年3月系統WG等)や、各電力会社による見通しの算定に当たって考慮すること等をまとめている。

3. 「接続可能量」の今後の取扱いについて

「接続可能量」の算定に関する課題

「接続可能量」の算定に関する、課題として以下、2つをあげた。

  1. 「接続可能量」の名称により誤解が生じる
    「接続可能量」を超過した場合でも、指定電気事業者制度を活用した無制限・無補償の下では、更なる接続が可能であるにも関わらず、「接続が不可能である」という誤解を生じさせる恐れがある。
  2. 需要は気候や景気等の影響により、毎年短期的に変動する
    本来、需要想定は過去数年間の長期的トレンドを見込んで設定するもの。しかし、震災後、節電が進み需要のトレンドが過去と大きく変わったため、昨年の系統WGでは、短期的に変動する直近の需要実績(2013年度)を採用。短期的な需要の変動によって、今後20年間買い取る「接続可能量」が変動するのは適切でない。

今後の対応

以下の案を示した。

(1)「接続可能量」の名称の見直しを行う。
昨年の系統WGにおいては、「毎年度算定するもの」と「FIT制度において、電力会社が30日、360時間(太陽光)、720時間(風力)の出力制御の上限を超えて出力制御を行わなければ追加的に受入不可能となる時の接続量」の2つの概念を同じ表現「接続可能量」として用いていた。

今回のWGより「接続可能量」については、前者の毎年度算定するものは「○○年度算定値」、後者の出力制御なしでは追加的に受入不可能となる時の接続量を「30日等出力制御枠」と名称を変更する。

(2)需要の変化や電源構成の変化等による、「接続可能量」の見直しの考え方を整理する。
昨年の系統WGでは「2014年度算定値」をもとに30日等出力制御枠を設定したが、需要の変化や電源構成の変化等による、「30日等出力制御枠」の見直しの考え方を次のように整理した。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 系統ワーキンググループ(第6回)

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