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FITの設備認定、制度変更へ 実施の可能性が高い事業のみを認定へ

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FITの設備認定、制度変更へ 実施の可能性が高い事業のみを認定へ

経済産業省は、固定価格買取制度(FIT)において、今後、系統接続の契約など事業の内容を確認した上で、事業実施の可能性が高い事業のみを認定する新たな認定制度を創設する考えだ。

26日に開催した、再エネをめぐる制度的な見直しについて検討する小委員会において、これまでの議論を踏まえた更なる検討事項として、5つの論点を示した。

本小委員会の名称は、再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会。今回の委員会では、電力システム改革の成果を活かした導入促進を図る制度の整備、研究開発や規制改革等の事業環境整備を含め、制度見直しに向けたこれまでの議論をもとに、制度改革に向けた論点を提示した。5つの論点の概要は以下のとおり。

論点の概要

1. 新認定制度のあり方

再エネ発電事業者の事業の確実性・合理性等の適切性を担保するため、新たに再生可能エネルギー発電事業の事業内容の適切性を確認した上で、FITの対象とする認定制度を創設するとともに、事業開始後に、事業者が遵守するべき事項を設定し、その遵守を求める等の措置を講じることを検討する。

2. 認定制度の見直しに伴う既認定案件への対応

今後、系統接続の契約など事業の内容を確認した上で、事業実施の可能性が高い事業のみを認定する制度を導入する場合、新認定制度開始までに、現行制度下で設備認定を得た案件についての取り扱いについて、以下の案を示した。

  • (1)発電事業を開始している(運転開始済の)案件、(2)事業開始に至らないが系統接続契約の締結など新認定制度の認定要件を満たす案件は、現行制度の認定のステータス(買取価格等)を活かすこととする。
  • その際、事業実施の可能性の判断には発電事業者が系統接続を確保しているかどうかが重要な要素となるため、新制度への移行までの間に電力会社に対して、工事費負担金の請求額を決めるための入札の迅速な実施などの取組みを求めることが必要である。※
  • ただし、工事費負担金の請求額を決めるための入札の結果が出るまでにやむを得ず時間がかかる場合などには、その結果が出るまでの間、一定の猶予期間を設ける等を検討する。

※50kW未満の低圧電源については、分割案件などの例外的な場合を除き、基本的に系統事由により接続契約手続は停滞していない。平成26年度の事業用太陽光の認定件数25.5万件中、24.5万件が低圧案件である。

3. 太陽光に関するコスト効率的な価格設定について

  • 買取価格決定方式
    事業用については、FIT施行により急激な導入拡大が進んでいる中でコスト効率的な事業者の導入を促すため、トップランナー方式を採用しつつ、事業者間の競争を通じた更なる価格低減を実現するため入札制度を活用する案が示された。
    住宅用(10kw未満)については、自家消費を中心とする家庭への導入を行うものであり競争入札に馴染まないことから、予め価格低減スケジュールを設定する方式を採用する案が示された。
  • 入札制度活用
    FIT認定の申請に先立ち、買取価格に関する入札を行い、入札価額の低い事業者から優先的に、申請を行う権利を得る仕組みとしてはどうか。

4. 送配電買取における小売電気事業者への引渡し方法

送配電買取における小売電気事業者への引渡し方法については、(1)市場経由の引渡しを基本とした上で、(2)売り先が決まっている場合には当該小売に引渡すこと、(3)沖縄や離島等、市場が活用できない場合等に小売への割付けにより引き渡すことを可能としてはどうか。それぞれの方法について、今後、課題への対応策を検討し、詳細設計を行うことが必要となる。

5. RPS制度の経過措置の廃止

平成15年に全面施行されたRPS制度は、新エネルギー等電気の利用目標量を定め、電気事業者に対してその利用を義務付ける制度であり、目標に向かって「基準利用量」を毎年増加させていた。

RPS法は、再生可能エネルギー特別措置法の施行時に廃止されたが、RPS制度の下で設置された認定設備の投資回収ができなくなる恐れがあったこと等により、「当分の間、なお、その効力を有する」とした。

しかし、FITの開始後、RPS認定設備の多くはFITに移行し、経過措置中の「経過措置利用量」は、認定設備の廃止の状況等にあわせて毎年減少していること等から、一定の期間を設け、RPS制度の経過措置を廃止してはどうか。なお、投資回収が終わっていない認定設備があることに配慮して、FITの調達期間が経過していない設備については、FITへの移行を認めることを検討してはどうか。

FITの現状と課題

固定価格買取制度(FIT)は、再生可能エネルギー市場という新市場を創出、電源の中期的な自立化に向けて(1)固定価格での長期買取によって事業収益の予見可能性を高め、参入者のリスクを低減、(2)市場拡大に伴うコスト低減(スケールメリット、習熟効果)を目指すものである。

2030年のエネルギーミックスで示された再生可能エネルギーの導入水準(電源比率22~24%)の達成に向け、FITには引き続き重要な役割を期待される一方で、現状の導入拡大ペースには電源毎に大きな差異があり、国民負担増大の懸念も生じている。導入が急速に進んだ太陽光発電については自立化に軸足を置き、コスト効率的な形での導入を進める制度とする必要があり、リードタイムが長く、導入の進んでいない電源については導入拡大を更に強力に推進するための制度改革を行う必要がある。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(第5回)

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