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ドイツの集合住宅に太陽光発電・蓄電池・HEMSなど導入 NEDOの実証実験

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ドイツの集合住宅に太陽光発電・蓄電池・HEMSなど導入 NEDOの実証実験

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、5月31日、NTTドコモ(東京都千代田区)ほか3社と共同で取り組んでいる「ドイツ連邦共和国におけるスマートコミュニティ実証事業」において、太陽光発電パネル蓄電池ヒートポンプHEMSを組み合わせたシステムの実証運転を開始したと発表した。

同実証が行われるのは、ドイツのラインラント=プファルツ州シュパイヤー市内の集合住宅(2棟×16戸)内だ。日本の蓄電技術、ヒートポンプ温水器による蓄熱技術、情報通信技術を組み合わせ、太陽光発電の自家消費率を向上するシステムを構築し、需要家の経済的なメリット拡大や電力系統の安定運用に貢献するモデルを確立するもの。共同で取り組む事業者は、NTTファシリティーズ(東京都港区)、日立化成(東京都千代田区)、日立情報通信エンジニアリング(神奈川県横浜市)。

今回の実証では、日射量データや各世帯の負荷パターンに基づき、太陽光発電電力やエネルギー消費量(電力、熱)を予測するとともに、仮想の電力料金モデルに応じて、電力系統への逆潮流および、需要家のエネルギー料金を最小化するようにHEMSの制御ロジックが構築されており、蓄電池やヒートポンプを最適制御する。また、2棟の集合住宅を「世帯単位」「棟単位」のタイプに分け、それぞれにおいてエネルギー自家消費率最大化を目指し、2018年3月までの約2年間、実際の生活環境のなかで実証システムを運転することで、その効果や信頼性、経済性などを評価していく予定だ。

現在、ドイツは電力需要の20%以上を再生可能エネルギーで賄っている。同国の政府はその比率を2020年に35%、2050年に80%にする目標を掲げているが、太陽光発電のコスト低減に伴い、再生可能エネルギーの発電コストが、電力系統から購入する電気料金と等しくなっている(グリッドパリティ)ため、固定価格買取制度が事実上終了している。このため、太陽光発電設備を設置した需要家が、発電した電力を電力会社に売電するメリットが失われた状況となっている。

また、太陽光発電で発電された電力が、消費する電力を上回ると、逆潮流による配電線の容量制約や配電系統の電力品質低下につながるため、既にインバータの出力抑制が、住宅用太陽光発電設備にも課されている。

このような背景から、太陽光発電によって発電した電力は極力、自家消費し、電力会社に売電しないシステムが構築されることが喫緊の課題だ。

これを受けNEDOは、100%再生可能エネルギーによる電力、熱のエネルギー供給を目標として掲げる同市と、シュパイヤー電力公社および住宅供給公社ゲボ社と2015年7月23日に基本協定書を締結し、今回の「エネルギー自己消費モデル」を実現するスマートコミュニティ実証事業が実施されることとなった。

現地時間の5月30日には、ドイツのシュパイヤー市において、同実証システムの運転開始式が行われた。式典には関係者や、同事業に参加している住民らが出席した。

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