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地方創生の追い風 ~新たな再生可能エネルギーの攻勢

岸波 宗洋

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FIT・固定価格買取相場 木質バイオマス2,000kW未満=40円へ

これまで、FIT・固定価格買取相場において高値をつけてきた太陽光発電に代わり、新たに木質バイオマス発電で2,000kW未満という小規模事業に対して、1kWh単価を40円にする方針を打ち出した(経産省「調達価格等算定委員会」による委員長案の提示)。

買取価格方針の意図するところは、なにか?

2012年FIT導入以降、太陽光を前提としたPPS(新電力)の予測電力量はパンプアップしているものの、PPSとして新規登録した事業者の実質的な稼働率は低い。また、PPS登録した太陽光発電事業者のうち、多くが地域と関わりのない事業者とも言われている。つまり、太陽光周辺のPPS事業はちょっとしたバブル状態に陥っており、重要な合目的である地方創生への寄与が曖昧なのである。

そして、今回の買取価格方針は、間違いなく地方創生を強調したものであると捉えられる。都市型事業者の多い太陽光の買取価格を引き下げ、また、大手企業などの参入が多い大規模バイオマス・ガス発電事業者ではなく、あくまで地域企業や自治体が参入し易い小規模バイオマス・ガス事業者に対して優遇的な買取価格を設定した。これは、地域のキャッシュフロー(ヒトやカネの流れ)をFITが担保する構造を明確化したものと言える。

地域の疲弊に憂い地方創生を画策する諸氏にとって、このニュースが大きな起爆剤となり得ることを期待する。

【お知らせ】
3月開始「地域エネルギー事業の作り方」プロジェクト研究(事業構想大学院大学事業構想研究所主催)

この記事の著者

岸波 宗洋(きしなみ・むねひろ)
岸波 宗洋(きしなみ・むねひろ)

事業構想大学院大学 事業構想研究科准教授、事業構想研究所教授


 青山学院大学経営学部助手、青山学院大学総合研究所研究員、青学コンサルティンググループ専務取締役、コモンズコンサルティングパートナーズ取締役社長等を歴任。スタンフォード大学との遠隔ビジネス教育における国際共同研究、ナショナルクライアントの戦略コンサルティング、業務提携等に携わる。

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