世界初「使用済み紙おむつ」再資源化を推進 ユニ・チャームが描く未来とは?

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「SDGsの達成に貢献する」ことをパーパスとする、日用品・消費財メーカーのユニ・チャーム。2020年10月に、中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」を策定。2023年11月には「RE100」にも加盟した。その狙いや背景、持続可能な社会実現へ向けた同社の取り組みについて聞いた。

衛生と安全を担保する「使い捨て」負の側面としての環境へのインパクト

1961年創業のユニ・チャームは、生理用品を成長のきっかけとし、赤ちゃん用紙パンツ(おむつ)で飛躍的に会社規模を大きくした。その後アジア展開を進め、順調に事業を拡大。現在は、生理用品をはじめ、ベビーケア用品、大人用排泄介護用品、ウエットティッシュやマスク、ペットケア用品など、世界約80の国と地域で事業を展開している。

同社商品は、ほとんどが利用後そのまま廃棄することで「手軽に衛生的な生活を送ることができる」ものとなっている。

「『衛生的』を突き詰めれば『使い捨て』になることは、コロナ禍での不織布マスクの例を見ても明らかです」と同社ESG本部長の上田氏。生理用品も紙パンツも、経血や便といった、感染リスクの可能性を含む排泄物を吸収する商品。使用後に廃棄することが衛生的には最も安全で合理的といえる。

ただ、世界的に人口が増加するなか、資源の使い捨てによる環境負荷は負の側面として考えていく必要があるという。

「当社では早い段階から、『より少ないインプットでより高い付加価値を生み出す』ため、コンパクトで吸収力の高い商品づくりに挑んできました」という言葉のとおり、紙パンツや生理用品は現在、発売当初からは考えられない薄さとなっている。

加えて、同社は商品リサイクルを推進し、2016年からは世界初となる「使用済み紙パンツ(おむつ)再資源化技術」を活用した紙パンツのリサイクル実現へ向け、鹿児島県で実証実験に取り組んでいる。

こうしたなか、2020年10月にはグループ全体の中長期ESG目標として「Kyo-seiLife Vision 2030」を策定。策定にあたっては、同社が取り組むべき課題について、課やグループ単位で項目の投票を行い整理した。

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