洋上風力発電が描くe燃料産業

洋上風力、5大商社が築く流通小売連合 総合商社の強みを生かし事業を牽引

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総合商社の強みは世界中に築いてきたネットワーク力だ。洋上風力発電事業において、安全・安定・安心な電力需給市場の創出とエネルギーの有効利活用などに結び付けられる商社が関与する意義は大きい。電力事業全体のシナジー効果を生みながら、パートナーや電力の最終顧客に付加価値を提供できる。

世界の洋上風力発電事業を支えるのは総合商社

2021年12月は、日本の洋上風力開発にとって衝撃的な年末であった。国内初となる再エネ海域利用法に基づくラウンド1の入札結果が発表され、誰も予想だにしない結果に、業界関係者は唖然とした。落札したのは電力事業者ではなく、総合商社であった。それも3海域全てを三菱商事グループが落札した。三菱グループが選ばれたのは、圧倒的な入札価格の安さによるものであり、他グループを圧倒していた。

三菱商事グループ洋上風力・海底送電事業開発実績(2012年~)
三菱商事グループ洋上風力・海底送電事業開発実績(2012年~)
(出所:「三菱商事グループ洋上風力発電事業の取組みと地域創生~ つぎを創る~」(2022年3月22日)再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会洋上風力促進ワーキンググループ「第13回交通政策審議会港湾分科会環境部会洋上風力促進小委員会」より)

1社が全海域を総取りしたことへの批判などから、ラウンド2の入札ルールが急遽大きく変更され、昨年末に結果がでた。公表された3海域の落札事業者(コンソーシアム)には、住友商事・三井物産・伊藤忠商事といった総合商社が名を連ねていた。応札価格はゼロプレミアムである3円/kWhだった。

総合商社だからこそ可能な次世代のエネルギー事業

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