環境用語集 太陽熱温水器

太陽熱温水器とは?

太陽熱を集熱し、給湯や冷暖房に利用する「太陽熱利用機器」。主に集熱器と貯湯槽から構成され、「強制循環型」と「自然循環型」の2種類がある。

熱器と蓄熱槽が一体化された機器が自然循環型で、一般に太陽熱温水器と呼ばれるものだ。構造がシンプルなため、安価という利点がある。一方、集熱器と蓄熱槽がそれぞれ分離しているのが強制循環型。屋根上に集熱器、地上に貯湯槽を分離して設置する。ソーラーシステムや太陽熱高度利用システムとも言われる。屋根の上に水をためる必要が無く、集熱部を軽量化できるので、家への負担が少なく、集熱面積を広く取ることが可能だ。また、給湯だけでなく、床暖房や室内暖房器具へも接続でき、太陽熱を効率的に利用することができる。

また、集熱器には、「平板型集熱器」と「真空管型集熱器」がある。平板型は、平板・黒色の集熱面に直接熱媒(水や不凍液)を接触させて熱交換を行い、集熱する仕組み。真空管型は、内部を真空にしたガラス管の中に、熱媒を通す管と集熱板を設けた構造を複数並べる構造だ。平板型は100℃以上の高温を得るのが難しいが、構造が単純で安価。真空管型は、集熱効率が高く、最大200℃の高温を得ることができるが、製造技術が難しく、コスト高になってしまうというデメリットがある。

再び脚光を浴びる、太陽熱温水器

太陽熱温水器は、1970年代の石油ショック以降、低コストの給湯設備として注目され、1980年には出荷台数が80万台を突破した。しかし、石油価格の低下とともに、1980年代以降販売台数は下降し、補助金についても、財団法人新エネルギー財団による「住宅用太陽熱高度利用システム導入促進対策費補助金」が平成17年度をもって終了するなど下火になっていた。

しかしながら、東京都が2009年4月から太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクトの支援策として補助金を開始。また、他の自然エネルギー利用機器と比べて導入費用が数十万円程度と安く、基本的にランニングコストがかからないことなどから再び脚光を浴びている。

関連ニュース 等

国や団体が実施する、太陽熱温水器の補助金

環境省

「家庭用太陽熱利用システム普及加速化事業(平成22年度)」

地球温暖化対策推進事業費補助金の一環として、太陽熱利用システム(強制循環式の太陽熱温水器)のリースを行う事業者に対して、国が、太陽熱利用システムの設置経費を補助する制度。補助金の上限額は、機器購入費・工事費の1/2。

対象となるのは、同システムをリース方式で住宅に設置・保守などを行う設置事業者、もしくは設置事業者に対象システムをリースするリース事業者。リース期間は、6年間以上(集合住宅にセントラル方式で設置される場合は15年間以上)とする。また、工事費の上限は住宅1戸(集合住宅の場合は1世帯)あたり120万円。1事業あたりの補助件数の下限は、100戸(100世帯)。

公募の結果、以下の8事業者が補助対象事業者として認定された。

リース事業者 メーカー 保守 募集地域 応募要件
JA三井リース・JA全農
(長野県本部、群馬県本部)
サンジュニア 長野県、群馬県 JA組合員、戸建
JA三井リース・JA全農 矢崎総業 福島県以西 JA組合員、戸建
JA三井リース 矢崎総業 栃木県、埼玉県 JA組合員、戸建
T&Dリース 矢崎総業 福島県以西 戸建
T&Dリース ノーリツ 全国 戸建
T&Dリース 長府製作所 全国 戸建
T&Dリース 大阪ガス 大阪ガス管内 新築アパート、新築・既築戸建
ティージークレジットサービス 長府製作所 東京ガス
(ライフバル)
東京ガス管内 新築・既築戸建など

詳細:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12317

▼関連ニュース
ノーリツ 太陽熱利用ふろ給湯システムのリース販売、補助金で半額負担に (2010/05/24)


寺田鉄工所

「太陽熱エコポイント制度」

寺田鉄工所製の太陽熱温水器(自然循環型)・ソーラーシステム(強制循環型)を購入すると、同社が独自に発行する「太陽熱エコポイント」が付与される。対象者は、保証書のコピーと設置写真を寺田鉄工所に送付する必要がある。その後、同社から商品が送付される。商品は、全国百貨店共通商品券、またはJCBギフトカード。製品ごとのポイント数は下記のとおりで、ポイント還元率は1ポイント=1円。

自然循環式太陽熱温水器「サナース」:10,000ポイント
水道直結式太陽熱温水器「サントップ」:20,000ポイント
強制循環式太陽熱温水器「ソルテック」:30,000ポイント

受付期間:平成23年3月1日~5月31日
詳細:http://www.solars.jp


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