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2013年、「電力事業者」が急増 7割近くが太陽光発電関連 民間調べ

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2013年、「電力事業者」が急増 7割近くが太陽光発電関連 民間調べ

東京商工リサーチが実施した2013年「電力事業者」の新設法人調査で、2013年に全国で新しく設立された法人(新設法人)のうち電力事業者は1,799社で、前年比2.2倍、2011年と比べると26.4倍と急増したことがわかった。

2011年3月の原発事故以降の電力需給逼迫や、2012年7月に導入された再生可能エネルギー太陽光風力、水力、地熱、バイオマス)の固定価格買取制度を契機に、発電などを目的にした法人設立が相次いだ。利用エネルギー別にみると太陽光関連が7割近くを占めた。

1,799社のうち、利用エネルギー別では主な事業内容を「太陽光、ソーラー」関連とした新設法人が1,213社(構成比67.4%)で突出し7割近くを占めた。

利用エネルギー(重複あり)

太陽光発電による売電事業などが中心で、次いで「風力」(223社、同12.3%)、「水力」(74社、同4.1%)、「地熱」(66社、同3.6%)と続く。この順位は固定価格買取制度に基づくエネルギー別の発電設備の認定件数(2014年4月末時点)の順位とほぼ一致しており、制度開始に伴い新規参入した事業者が多いことが伺えた。

その他、本調査結果の概要は以下の通り。

資本金別1千万円未満が8割、小規模資本金での設立が増加傾向

1,799社のうち、資本金別では「1千万円未満」が1,501社と8割以上を占め、1億円以上は18社にとどまった。少額資本金での法人設立が目立ち、参入障壁は比較的低いといえる。

また、2012年と比べ百万円未満(746社、前年比208.2%増)、百万円以上5百万円未満(585社、同133.0%増)の増加率が突出し、小規模法人が増加したことがわかる。

地区別では関東と九州が突出、9地区全てで前年を上回る

本社所在地の地区別では、関東が859社(構成比47.7%)で約5割を占め、うち東京が579社と集中した。次いで、九州305社(同16.9%)、近畿156社(同8.6%)、中部131社(同7.2%)と続く。

九州地区は日照条件の良さと遊休地の多さから、メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業が集積し、出力量は全国の約3割を占める(2014年4月末時点、九州経済産業局調べ)。太陽光発電の「先進地区」という背景から、電力事業者の新設を押し上げた。また、増減率では9地区全てで前年を上回り、社数の多寡はあるが、全国で広がりを見せている。

都道府県別34都道府県で前年比倍増

都道府県別では、東京都が579社(構成比32.1%)で突出した。前年比では、41都道府県が増加した。このうち、前年比2倍以上は34都道府県にのぼった。一方、減少は新潟県、鳥取県、三重県、秋田県の4県、前年と同数は福井県、島根県の2県だった。

特定規模電気事業者、異業種からの参入が8割

電力の小売自由化に伴い事業可能となった特定規模電気事業者(PPS)も、近年は増加傾向にある。再生可能エネルギーを利用した発電手段の拡大や、大手電力会社の電気料金値上げなどの影響から新規参入を目指す事業者が相次いでいる。

2014年8月4日時点で資源エネルギー庁に届け出のあった特定規模電気事業者は313社。設立年代別にみると、業歴15年未満で全体の6割以上を占めた。地域別では関東151社(構成比48.2%)がトップで、以下、近畿36社(同11.5%)、中部と九州が同数で31社(同9.9%)と続く。大都市圏を所在地とする事業者が多いが、電力事業者の新設法人と同様、九州の比率が高いことが特徴的といえる。

また、特定規模電気事業者の主要業種を、東京商工リサーチの企業データベースに基づき分類したところ、電気業は64社(構成比20.4%)にとどまった。主要事業を機械器具販売や建設業とする企業からの参入が比較的多いが、メーカーから小売業に至るまで多岐に渡り、8割が異業種から新規参入していることがわかった。

まとめ

再生可能エネルギーを主体とした電力関連分野は、電力不足への対応と新産業の担い手という両面で注目され、関連事業者の開業数も急増している。新設法人の増加は労働力の受け皿になり得る位置付けとしても期待されている。

一方で、固定買取価格が段階的に引き下げられるなか、ルールを逸脱した認定申請が発覚し経産省より固定価格買取制度の認定取消処分を受ける業者が相次いでいる。

本レポートではまとめで、今後、固定価格買取制度見直しを検討する動きもあり、全国に広がった「開業バブル」の様相を呈した再生可能エネルギービジネスも踊り場に差し掛かっていると指摘する。

また、小規模資本での設立が大多数を占めており、また、新設しても事業が軌道に乗らずに休眠、倒産に追い込まれるケースもある。健全な制度運用が不可欠であることは言うまでもないが、同時に将来を担う新産業として成長させるには官民が足並みをそろえたバランスある舵取りが求められている。

本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象382万社)から、2009~2013年に新しく設立された法人データのうち、日本標準産業分類に基づく中分類「電気業」を抽出し、分析した。

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