ESG投資

倫理としてのCSRからESG投資へ

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1回目 CSRとCSVを考える

はじめに

最近、日経新聞などで「ESG投資」という単語に触れる機会が増えているのではないか。このESG投資とは、簡単に言えば財務情報に加え、企業の環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の情報も考慮する投資のことだ。なぜそれが今注目されるようになったのか。また、投資対象=上場企業だから未公開企業は関係ないように見えるかもしれない。また社会や環境に配慮というのは社会貢献活動であり本業を通じた企業価値とは別次元のものと思われるかもしれない。しかし、単なる社会貢献ではないESGの視点は、融資でも組み込まれ始めているし、これからの持続可能な経営を考える上で不可欠な要素でもある。本稿では4回にわけて、その背景を考えていきたい。

CSRからCSVへ:

企業の社会的責任を意味するCSRが日本で市民権を得るようになってからすでに10年以上たつ。CSRが注目されるきっかけは2000年ごろからはじまった乳業会社の食中毒事件や食品会社の偽装ラベル事件などの相次ぐ企業不祥事である。世間では企業への不信感が高まり、経団連は企業行動憲章を改訂し、倫理やコンプライアンスなどの企業の社会的責任に配慮して企業市民として襟を正すと宣言し、上場企業にCSR担当部署が設置されるようになった。

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