世界的なESG投資の潮流の中で環境経営を推進する自家消費型太陽光発電の普及は多くの企業が抱える重要課題の一つだ。分散型太陽光発電による脱炭素ソリューションを牽引するエコスタイルの経営戦略推進部 副部長 矢島 昌樹氏が、同社が展開する「PPAモデル」や電力システム改革で注目される「自己託送」の活用性を説き明かした。
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初期投資ゼロの自家消費型太陽光発電PPAモデルで『環境価値のある電力』活用拡大
「子供たちの未来にエコ電力」という使命のもと、太陽光発電による投資商品や脱炭素ソリューション、電力小売ソリューションを提供しているエコスタイル。北海道から九州まで営業店ならびに施工店を構え、これまでに手掛けてきた太陽光発電開発施工実績は11,542件、535.6MW(2020年6月末時点)。近年、SDGsやパリ協定の採択を契機として持続可能な社会への取り組みが企業にも波及しESG投資・脱炭素経営への動きが加速するなか、同社は環境経営のソリューションとして自家消費型太陽光発電システムの導入・拡大に向けた多様なビジネスモデルを展開している。
自家消費型発電では昼間発電した電気を自ら消費し、不足分は電力会社から購入。売電よりも経済的なメリットを得られるだけでなく、電力会社から購入する電気量を減らして電気代を削減することができる。再エネ賦課金の加算などで電気代が上昇傾向にあるなか、自家消費型太陽光発電システムの導入は長期的なコスト削減につながるという。
「何より再エネ由来の電気を使用するため、企業活動に伴うCO2排出量削減効果をもたらし、近年ますます重視されている環境経営を推進。企業価値の向上につながります」と矢島氏は語気を強めた。
こうした「環境価値のある電力」の活用拡大に向けてエコスタイルが提供しているサービスの一つが、初期投資ゼロで太陽光発電設備が設置できるPPAモデル(第三者所有モデル/電力購入契約)だ。「需要家はPPA事業者とエネルギーサービス契約を締結。敷地内に設置された設備で発電された電力を自家消費し、PPA事業者に電気使用量の支払いを行います。不足分については、従来通り電力会社から供給を受けるという仕組みです」(矢島氏)
同モデルでは設置工事とメンテナンスをエコスタイルが請け追うため、導入資金もランニングコストも不要。設備も第三者所有となるため、資産を保有することなく償却資産税などの負担もない状態で脱炭素電源の利用が可能になる。
電力システム改革で注目されるオフサイト自家消費型太陽光発電「自己託送」
非FIT太陽光発電の普及を目指す同社は現在、持続可能なビジネスモデルとして「オンサイト自家消費型太陽光発電」、「オフサイト自家消費型太陽光発電(自己託送)」、「新電力の非化石電源としての非FIT土地付太陽光発電所」の導入・拡大を推し進めている。なかでも、自己託送制度を利用したオフサイト自家消費型太陽光発電は発電設備の導入を検討している事業者がぶつかり得るさまざまな課題にソリューションを提供する。
「事業者が所有する施設状況が太陽光発電システムの設置条件を満たさない場合(旧耐震基準、設置スペース不十分など)、またオンサイトだけでは日中の需要量を賄いきれない場合は賃貸物件の施設を利用してオフサイト自家消費型太陽光発電(自己託送)にて自社所有モデルや第三者所有モデルを展開することができます」と矢島氏は説明した。
自己託送制度とは送配電事業者の送配電設備を利用することで遠隔地の太陽光発電設備で発電した電気を自社施設または自社グループの施設へ送電するシステム。自己託送に利用する発電所に制限はなく低圧でも送電可能だが、発電量が365日にわたって総需要量を超える余剰電力が発生しない需要地点への供給が求められる。一つの発電地点から複数の需要地点、または複数の発電地点から一つもしくは複数の需要地点への託送も可能だ。
「日本では電力を蓄えることができない特性上、安定供給には発電量と需要量を適正に調整する必要があります。この調整を担っているのが一般送配電事業者であり、需要家は発電事業者として太陽光発電量の30分ごとの計画値と実績値に誤差が生じないよう必要な情報を提供しなければなりません」と矢島氏は太陽光のような自然変動電源を利用する場合は発電に関する高度な予測ノウハウが必要になることを強調した。
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