環境ビジネスフォーラム「脱炭素経営の推進―いま取るアクションを考える」

太陽光自家消費を軸にした持続可能な環境経営モデル(2ページ目)

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高精度の発電予測ノウハウが自己託送を実現

一方、耐震基準の問題などから太陽光発電設備を屋根などに設置できない事業者が活用できるのが、オフサイト型(自己託送)だ。自己託送に利用する発電所の規模に制限はなく低圧でも送電可能だが、発電量が30分単位で365日にわたって総需要量を超えない(余剰電力が発生しない)需要地点への供給が求められる。一つの発電地点から複数の需要地点、または複数の発電地点から一つもしくは複数の需要地点への託送も可能だ(発電地点と需要地点は同一電力エリアが望ましい)。

こうした自己託送は自家消費型システムの導入を検討するも敷地内での設置が困難な事業者に新たな可能性を提供することになるが、自然変動電源である太陽光の場合、インバランス(計画と実績の誤差)リスクが大きいことが障壁となる。「自己託送を利用する需要家は、電力広域的運営推進機関(OCCTO)に発電量の計画報告(365日30分単位)と同報告の誤差によるインバランス料金の精算が義務付けられており、当社はこの代行サービスを提供。また、同時に自己託送での供給量を負荷追随供給する小売電気事業者に通告(通告代行)することで、同社が需要家に不足分を供給する仕組みになっています」(岸田氏)。

遠隔地の太陽光発電所の電力を自家消費自己託送
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これまで太陽光発電の発電量の予測を4年以上行ってきた実績がある同社は、インバランスをできるだけ抑えた精度の高い計画を作成するノウハウを有しており、発電予測・計画作成費用を1kWhあたり1円(税抜)でインバランスの精算も含め請け負っている。また、一般送配電事業者による自己託送に係る審査から承認までのプロセスや需要家の各種契約締結をサポートするなど、「事業者が自己託送を導入できるよう」さまざまなサービスを提供している。

また、一般送配電事業者による自己託送に係る審査から承認までのプロセスや需要家の各種契約締結をサポートするなど、「事業者が自己託送を導入できるよう」さまざまなサービスを提供している。

初期投資ゼロで設備を設置するPPAモデル

そのほか、再エネ普及の足かせとなっているコスト面での課題を解決するのが、初期投資ゼロ円で自家消費型太陽光設備を導入できるPPA(第三者所有モデル/電力購入契約)モデルだ。「第三者が設備を所有するため、資産保有することなく『生の』再エネ電源の利用が可能です。設置工事とメンテナンスも当社が請け追うため、導入資金もランニングコストも不要です」と岸田氏。需要家が自家消費電力の使用量に利用料を支払う「オンサイトPPAモデル」と太陽光発電所の賃借料を支払う「コーポレートPPAモデル(オフサイト第三者所有モデル)」の2種類を展開している。

最後に、岸田氏はカーボンニュートラルに向けた再エネ型経済社会の創造には『生の』再エネ電力の導入拡大が不可欠であると改めて強調し、「再エネを増加する投資なしに温室効果ガス排出量は削減できません」と語った。需要家の立地条件やコスト面での課題を勘案した多様なモデルを提供するエコスタイルは、今後も非FIT太陽光の普及を促進し、脱炭素化への流れを加速させることに注力していく。

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