中国では、ベンチャー企業や既存太陽電池製造・開発企業などの参入が相次ぐ有機薄膜太陽電池やペロブスカイト太陽電池。一方で、広大な用地での大規模な太陽光発電所に需要は見当たらない。同国では、多結晶シリコン太陽電池などの主要製品の生産量が圧倒的に多いようだ。
ペロブスカイト太陽電池も中国が席巻か
中国では、2015年頃からペロブスカイト太陽電池関連のスタートアップ企業が複数設立、2020年以降ペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた取り組みが急進し、中国ベンチャー企業や既存太陽電池製造・開発企業などの参入が相次いだ。
多数の企業や大学が中国国内での特許取得を進めていると見られ、研究開発競争は激化し、大規模な生産ライン設立に向け、資金調達完了の発表も続いた。
中国におけるペロブスカイト分野の研究が活発化しており、日本メディアも中国企業の技術開発、試験生産状況の進展を報じ、早ければ数年後にはGW単位のペロブスカイト太陽電池の生産ラインを持つ企業が続々と出てくると予測している。
比亜迪(Build Your Dreams)、長城汽車(Great Wall Motor CompanyLimited)といった自動車メーカーや、中国原子力発電大手の中国核工業集団も開発に乗り出しており、開発競争は過熱しそうだ
しかし、2024年2月現在、各社ウェブサイトに、ペロブスカイト太陽電池の量産設備の稼働を伝えるリリースは見当たらない。
中国は大規模PV基地で大容量発電が優先
中国の再エネ導入は、「『第14次5か年』再生可能エネルギー計画(2021年から2025年まで)」に基づき、2025年には再エネ発電量増分の割合を 50%以上とし、風力と太陽光を倍増させ、再エネ年間発電量を3兆3000億kWh前後にしていくとしている。2023年の導入は太陽光発電と風力発電の合計で160GW、2024年の太陽電池生産量は450GW超としている。
この膨大な目標を達成するために、遠方の西部に大規模な太陽光発電基地を開発し、発電した電力を東部需要地域に輸送する送電線敷設も強化している。
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