バイオプラスチック

バイオプラスチックとは、植物などの再生可能な生物資源を原料とする「バイオマスプラスチック」と、微生物の働きによって最終的に水と二酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」の総称。
原料の起源に着目した概念と使用後の機能に着目した概念の双方が含まれており、化石資源由来の生分解性プラスチックや、植物由来でありながら非生分解性のプラスチックも存在する。化石資源依存からの脱却とカーボンニュートラルの実現に向けた代替素材として普及が進んでいる。
バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの分類
バイオプラスチックは、構成原料の由来(バイオマスか化石資源か)と、使用後の分解性(生分解性を持つか否か)という2軸の組み合わせによって整理される。具体的には、植物由来原料から作られ既存のプラスチックと同等の耐用性を持つ非生分解性のバイオPE(ポリエチレン)やバイオPET、植物由来であり一定環境下で分解するポリ乳酸(PLA)などのバイオマス生分解性プラスチック、さらに石油由来原料でありながら生分解性を持つPBATなどに大別される。
実務上の調達や製品開発においては、「バイオマス由来=自然環境下で分解する」という誤認を避けることが重要となる。植物由来であっても非生分解性の素材は、海洋や土壌中で自然に分解されるわけではないため、従来の石油由来プラスチックと同様の回収・適正処理が必要となる。
プラスチック資源循環促進法と2030年目標
国内では2021年1月に策定された「バイオプラスチック導入ロードマップ」において、2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入するマイルストーンが提示された。これを受け、2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」が施行され、国の基本方針として「3R+Renewable」が掲げられた。
同法ではプラスチック使用製品設計指針が定められ、バイオマス素材の利用など環境配慮設計を満たした製品に対する国の認定制度が運用されている。さらに国際的にも、国連環境計画(UNEP)主導の政府間交渉委員会(INC)において、海洋プラスチック汚染防止に向けた規制や代替素材の国際基準化を巡る議論が進展している。
マスバランス方式の活用と実務上の留意点
近年では、従来の石油化学プラントの製造工程にバイオ原料を投入し、物質収支に基づいて製品にバイオ比率を割り当てるマスバランス方式の採用が広がっている。SAF(持続可能な航空燃料)製造の副産物として生成する国産バイオナフサの商業供給も始まっており、企業のサプライチェーンにおいてバイオ比率を訴求するためには、ISCC PLUSなどの第三者認証取得やカーボンフットプリント算定の精緻化が求められる。
表示や回収設計においても注意を要する。日本バイオプラスチック協会(JBPA)の認証制度では、従来のグリーンプラマークが生分解性プラマークへ改定されており、意図せぬグリーンウォッシュを防ぐためにも適切な認証取得と用途説明が不可欠である。また、PLAなどの生分解性プラスチックが既存のポリオレフィン等のマテリアルリサイクルの回収工程に混入すると再生ペレットの品質を劣化させる懸念があるため、農業用マルチフィルムや食品残渣回収袋など、分解特性が生かせる特定用途への適用が推奨されている。
参考
- 環境省 ― バイオプラスチック導入ロードマップ
- 経済産業省 ― プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)
- 環境省 ― プラスチック資源循環特設サイト(バイオプラスチックとは?)
- 一般社団法人 日本バイオプラスチック協会(JBPA) ― 識別表示制度
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