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最終更新:2026年10月05日

バラスト水管理条約

環境ビジネス編集部
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バラスト水管理条約とは、船舶のバランスを保つために積載されるバラスト水や沈殿物に含まれる水生生物・病原菌が国境を越えて移動し、海洋生態系の破壊や人への健康被害を引き起こすことを防ぐための国際条約である。正式名称は「2004年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」で、国際海事機関(IMO)により2004年に採択され、2017年9月8日に発効した。日本国内では「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」に基づき規制が実施されている。

条約発効とD-2基準の完全義務化

採択後、条約の発効要件である「30カ国以上の批准かつ締約国の船腹量合計が世界の35%以上」を満たすまでに時間を要したものの、2016年に要件が達成され、2017年9月に正式発効した。発効当初は、既存船に対して公海上で海水を入れ替えるバラスト水交換基準(D-1基準)による暫定措置が認められていたが、国際航海に従事する総トン数400トン以上の対象船舶に対する猶予期間は2024年9月8日に満了した。

この経過措置の終了により、現在は原則としてすべての対象船に対し、型式承認を受けたバラスト水処理装置(BWMS)の搭載と、処理後の排出基準であるD-2基準の遵守が完全義務化されている。

バラスト水排出基準(D-2基準)の数値要件

条約の規則D-2で定められている生物排出基準は、海洋環境への外来生物の侵入・定着リスクを低減するため、生物のサイズおよび微生物の種類ごとに厳格な上限値が設定されている。

対象区分 排出基準値
最小寸法50μm以上の生物 1立方メートルあたり10個体未満
最小寸法10μm以上50μm未満の生物 1ミリリットルあたり10個体未満
毒素原性コレラ菌(O1およびO139) 100ミリリットルあたり1cfu未満(または1グラムあたりの動物プランクトン試料あたり1cfu未満)
大腸菌(Escherichia coli) 100ミリリットルあたり250cfu未満
腸球菌(Intestinal Enterococci) 100ミリリットルあたり100cfu未満

実務上の留意点と近年の国際動向

処理装置の搭載が一巡したことで、海運・港湾・環境関連の実務では「日常的な適正稼働と厳格な記録管理」へと焦点が移っている。寄港国の外国船舶監督(PSC)による検査では、装置の作動状況に加え、記録簿の不備や運航実態との乖離が重点的に確認されている。

2025年2月1日からは、IMOの海洋環境保護委員会(MEPC)決議に基づきバラスト水管理記録簿(BWRB)の新様式およびガイダンスの適用が開始され、これに即したバラスト水管理計画書(BWMP)の船上備え置きが求められる。また、2025年10月1日には条約規則改正の発効により、主管庁が承認した電子記録簿(Electronic Record Book)の本格的な運用が可能となる。

このほか、港湾内の濁度や泥によって処理装置のフィルター閉塞が生じる「水質不良海域(CWQ)」への対応手順やバイパス時の記録方法、下水・雑排水のバラストタンク一時貯留に関する運用基準の整備など、現場の実情に即した運用ルールの改定が進められている。

参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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