環境用語集 EV100

概要

EV100は、企業による電気自動車の使用や環境整備促進を目指す国際イニシアチブ。2017年9月に発足した。

RE100、EP100と同様、英国を拠点に温室効果ガス排出量削減に取り組む国際環境NPOのThe Climate Group(クライメイト・グループ)が主宰している。

目標年は2030年。加盟企業が事業で利用する車両を電気自動車(EV)化するだけでなく、関連施設に充電設備などを充足することで、従業員や顧客のEV使用率を向上させる取り組みも含む。

背景

現在の輸送部門の急拡大は、気候変動の一因にもなっており、そのため、輸送手段の電化(Electro-mobility)は、輸送に関わる大気汚染や騒音公害を抑えることだけでなく、気候変動に関する課題解決にも役立つとされている。

クライメイト・グループによると、輸送ビジネスの温室効果ガス排出量は、エネルギー利用に関する全排出量の23%を占めるという(2019年3月時点)。そのため輸送手段の電化(Electro-mobility)は、輸送に関わる大気汚染や騒音公害を抑えるだけでなく、気候変動に関する課題解決にも役立つとされている。

また、企業がEVへの移行を主導することは、そのスタッフと顧客などへの影響力も大きい。EVの大量導入を促すことにもつながり、結果的にEVの低コスト化も期待できるとされている。

参加資格等

参加する企業は、企業は2030年を目標に、以下のうち少なくとも1つについて公式にコミットすることが求められている。

  • 企業が直接保有またはリース保有する車両の電化
  • サービス契約に電気自動車の使用に関する規約を設ける
  • 関連するすべての施設内に電気自動車用充電設備を設け、従業員の電気自動車利用を推進する
  • 関連するすべての施設内に電気自動車用充電設備を設け、顧客の電気自動車採用を推奨する

なお、EV100の対象となるのは、バッテリー電気自動車、所定の性能を備えるプラグインハイブリッド車、水素燃料電池車。

参加可否の判断は、クライメイト・グループにて行われる。なお、参加にあたり、The Climate Groupの日本における地域パートナーのJCLPへの加盟は求められていない。

取り組み内容、導入メリット

参加企業は、ベストプラクティスの共有・情報交換を行う。また、自動車メーカーや電力会社、政府などに対しさまざまな働きかけをすることも期待できる。

また、現在、世界の主だった有力機関投資家は、ESG投資を通じ脱炭素に取り組む企業に積極的な投資したり、ダイベストメント(投資撤退の判断)を行うこともある。企業がEV100などの国際イニシアチブへの参加を表明することは、脱炭素への取り組みを可視化させるため、こうした投資家に対する大きなアピールにつながるというメリットもある。

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