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2030年、再エネ電力は最大18%をカバーできる試算 さらに省エネでも節電可能

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2030年、再エネ電力は最大18%をカバーできる試算 さらに省エネでも節電可能

経済産業省は、10日に開催した「エネルギーミックス」を検討する有識者会議、第4回長期エネルギー需給見通し小委員会で、2030年度における太陽光など再生可能エネルギーの導入見込量の試算を示した。

地熱発電と水力発電、バイオマス発電による2030年度の導入見込量の合計は、約5589万kW(1,337億kWh)と試算している。出力が変動する太陽光発電については、700億kWh程度を見込む。また。風力発電については2030年度の導入見込み量は示さなかったが、2013年度末の総設備容量は271万kW(47億kWh相当)。これらの数値を積み上げると、2030年度における再エネ導入見込量は2,084億kWhとなる。

前回の本委員会で、経産省は省エネ対策を実施する前の2030年度の電力需要の見通しについて、1兆1,440億kWhとの試算結果を示している。環境規制の緩和や地域間連系等の施策により再エネが最大導入された場合、「2030年度に見込まれる省エネ対策」を実施しなかった場合の電力需要のうち、約18%を賄うことができる見通しだ。

電源別にみた2030年度の導入見込量の試算概要は以下のとおり。

地熱発電の導入見込量は約140万kW(98億kWh)

既存の設備容量は約52万kW。中・小規模開発については、現在把握されている案件の開発を見込むとともに、今後も開発が順調に進行すると想定し、大規模開発について、現行の環境規制の下での開発を見込むとともに、環境規制の緩和が実施されたと想定した場合の導入量は、2030年度で約140万kW(98億kWh)となる(2020年度は約64万kW)。

更なる導入拡大のための取組みとして、関係省庁、自治体及び開発事業者等が緊密に連携し、国を挙げて大規模開発を支援していくことで、地熱発電の最大導入を目指す。

2030年における地熱発電の導入見込量

  大規模開発について、現行の環境規制の下での開発を見込み、中・小規模開発について、現在把握されている案件の開発を見込む場合 大規模開発について、現行の環境規制の下での開発を見込み、中・小規模開発について、今後も開発が順調に進行すると想定した場合 大規模開発について、環境規制の緩和を想定した開発を見込み、中・小規模開発について、今後も開発が順調に進行すると想定した場合
大規模開発 約32万kW 約32万kW 約61万kW
中・小規模開発 約6万kW 約24万kW 約24万kW
既存発電所 約52万kW 約52万kW 約52万kW
合計 約90万kW(63億kWh) 約108万kW(76億kWh) 約140万kW(98億kWh)

水力発電の導入見込み量は5,041万kW(953億kWh)

水力発電について、(1)現在進行中の案件又は経済性のある案件のみ開発が進む場合、(2)既存発電所の設備更新による出力増加、未利用落差の活用拡大等が進んだ場合、(3)自然公園法や地元調整等自然・社会環境上の障害があるが解決可能とされる地点の開発等が進んだ場合、の3段階で導入見込み量を試算。この3段階を想定した場合、既導入量と合計すれば5,041万kW(953億kWh)の導入が見込まれる。

中小水力の未開発地点の開発ポテンシャル

中小水力の未開発地点の開発ポテンシャル

経済性レベルは、IRR:自己資本内部収益率(株主 が投資リスクが同等の他の投資案件と比べて収益性・投資利回りが高いかどうかを評価し、投資の是非を判断するための指標)で評価しており、レベル3は7%以上、レベル2は3%以上、レベル1は0%以上で、レベル0は0%より小さいと設定。
開発難易度ランクは、自然公園法や野生生物保護法などの法規制、既得水利権との調整や漁協、地元との調整等を勘案し、障害が特にない地点~障害の解決が極めて困難な地点を4つに区分した。

(経済産業省 平成25年度中小水力開発促進指導事業基礎調査(未開発地点開発可能性調査)報告書)より

バイオマス発電の導入見込量は約408万kW(約286億kWh)

2030年における導入見込量は、少なくとも約408万kW(約286億kWh)(2020年では約381万kW(約267億kWh))に達する。

バイオマス発電のうち、一般木材・農作物残さを利用したバイオマス発電は、今後も導入量の伸び代があるものの、エネルギーセキュリティの観点からは、PKSや輸入チップの調達に関する将来的な安定性に留意して、導入見通しを検討する必要がある。また、バイオマス発電の普及が期待される、山村部や海岸・港湾沿い、北海道等において既にローカル系統制約が生じている場所が多く、今後のバイオマス発電の導入について、ローカル系統制約の存在を考慮する必要がある。

2030年におけるバイオマス発電の導入見込量

  既導入量 導入見通し
未利用間伐材等 3万kW 24万kW
建設資材廃棄物 33万kW 37万kW
一般木材・農作物残さ 10万kW 80万kW~
バイオガス 2万kW 16万kW
一般廃棄物等 78万kW 124万kW
RPS 127万kW 127万kW
合計 252万kW
(177億kWh)
408万kW~
(286億kWh~)

発電量(kWh)については、設備利用率80%を用いて機械的に試算。

太陽光発電の導入見込量は約700億kWh程度

太陽光発電には地域内のマクロの需給の観点から接続可能限界が生じ得る。昨年、系統WGで試算した7電力会社(北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄)の太陽光発電の接続可能量の合計は2,369万kW。その設備利用率を平均13%とすれば、年間約270億kWh相当の発電量となる。地域毎の昼間最低需要の規模から機械的に計算した全国規模での発電量は700億kWh程度(参考:第3次エネルギー基本計画を踏まえて示された2030年の導入水準は572億kWh)。

一部の地域においては、接続地点近辺の系統の空容量不足(ローカル系統制約)により大規模な太陽光発電について連系制約が発生しており、マクロの需給制約の上限以外にも、ローカル系統制約によって導入が進まない状況も想定される。他方、東京電力が公表している都県毎の「連系制約エリア」マップをもとに、ローカル系統制約が発生している地域での導入量に制限がかかると仮定した場合でも、低圧案件で現在の導入ペースが続くと、2030年には相当規模の水準に到達すると見込まれ、ローカル系統制約が導入量拡大を大幅に制限する要因とは言い切れないとしている。

各電力会社管内の認定量、接続申込量、接続済量と接続可能量

風力発電は2013年度末で271万kW(47億kWh相当)

風力発電の年間増加量は導入量3GWを前にして低水準で推移しており、2013年度末の総設備容量は、271万kW(47億kWh相当)。大規模案件は固定価格買取制度と同時期に導入された環境アセスメントの影響を受けている。

現在、環境アセスメント手続き中もしくは環境アセスメントが終了した案件(運転開始前)は全国で約520万kW。これらの案件は風況の良い北海道・東北に偏在している。これらを、既存の約270万kWと合計すると全国で約790万kW。但し、環境アセスメントの手続き等の過程で、事業の規模等については変更される可能性があるとしている。

洋上風力については、2020年度までに約2万kWの実証事業が運転開始する予定。加えて、現在、港湾内等で計画されている案件のうち、事業者決定済みであって2020年度までに運転開始を予定している案件が約16万kW、その他の事業者案件が約120万kW存在する。洋上の大規模ウィンドファームの運転開始までにかかる期間として、洋上風力の先進地である欧州の事例等では約10年間程度要していることを踏まえると、2030年度時点の導入量は、現在計画がある案件が中心となる。

電力各社公表の風力発電の接続可能量と、環境アセスメント中案件等を比較すると、北海道、東北において大幅に風力発電の導入量が制約される可能性がある。風力発電の更なる導入拡大のためには、北海道・東北地域など今後の導入拡大の見込みが大きい地域での風力発電の接続可能量拡大策が必要となる。接続可能量拡大策として、1.地域間連系線等の利用ルール見直し、2.地域間連系線等のインフラ強化、3.大型蓄電池を活用した再生可能エネルギー接続可能量拡大、をあげている。

洋上風力発電の開発状況

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会 第4回

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