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エネルギーの今後15年を左右する日本の「電源構成案」 国民意見の受付開始

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経済産業省は、2030年の電源構成(エネルギーミックス)を示した「長期エネルギー需給見通し(案)」について、国民からの意見募集(パブリックコメント)を開始した。意見・情報の受付期間は7月1日まで。

本案に盛り込まれた2030年の電源構成は、2030年の電源構成は、原子力は20~22%、再エネは22~24%、LNGは27%、石炭は26%、石炭は3%。再エネの内訳は、太陽光7.0%、風力1.7%、バイオマス3.7~4.6%、地熱1.0~1.1%、水力8.8~9.2%。

東日本大震災前に約3割を占めていた原発依存度は、20%~22%程度へと大きく低減し、また、水力・石炭火力・原子力等によるベースロード電源比率は56%程度となる。

本案について、議論してきた有識者会議、長期エネルギー需給見通し小委員会では、委員からも「再エネ導入見込量は再検討すべき」「再エネの水準は不十分、原子力の位置づけは国民に問うべき」などの意見があった。パブリックコメントを経て、最終決定する。

長期エネルギー需給見通し(案)の概要等は以下のとおり。

長期エネルギー需給見通しの策定にあたって

長期エネルギー需給見通しは、エネルギー基本計画を踏まえ、中長期的な視点から、2030年度のエネルギー需給構造の見通しを策定するもの。

今回の長期エネルギー需給見通し(案)の策定では、エネルギー基本計画に示された基本的視点「3E+S」を踏まえ、安全性を前提に、自給率は震災前を更に上回る水準(概ね25%程度)に引き上げること/低コストでのエネルギー供給/欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標を掲げ世界をリードすることを基本方針としてきた。

本案では、長期エネルギー需給見通しについては、少なくとも3年ごとに行われるエネルギー基本計画の検討に合わせて、必要に応じて見直すことを明記している。

2030年の電源構成について

2030年の電源構成は、原子力は22~20%、再エネは22~24%など前述のとおり。

安全性、安定供給、経済効率性および環境適合に関する政策目標を同時達成する中で、徹底した省エネ(節電)の推進、再エネの最大限の導入、火力発電の効率化等を進めつつ、原発依存度を低減することが基本方針とする。

2030年度時点の電力需要については、経済成長や電化率の向上等による電力需要の増加を見込む中、徹底した省エネの推進を行い、2013年度とほぼ同レベルまで抑えることを見込む。

各電源の個性に応じた再生可能エネルギーの最大限の導入を行う観点から、自然条件によらず安定的な運用が可能な地熱・水力・バイオマスにより原子力を置き換える。自然条件によって出力が大きく変動する太陽光・風力は、国民負担抑制とのバランスを踏まえつつ、電力コストを現状よりも引き下げる範囲で最大限導入する。

エネルギー需要について

エネルギー需要では、産業部門や家庭部門等の各部門の省エネ対策を積み上げ、最終エネルギー消費で5,030万kl程度の省エネを見込む。この結果、2030年度の一次エネルギー供給では、東日本大震災後大きく低下した日本のエネルギー自給率は24.3%程度に改善し、エネルギー起源CO2排出量は、2013年度総排出量比21.9%減となる。

各分野の取組みについて

省エネ

産業、業務、家庭、運輸各部門における設備・機器の高効率化の更なる推進、エネルギーマネジメントを通じたエネルギーの最適利用、詳細なエネルギー消費実態の調査・分析等を通じたエネルギー消費の見える化を進め、スマートできめ細かな省エネに取り組む。

業務・家庭部門における新築建築物・住宅に対する省エネ基準の段階的な適合義務化をはじめ、家庭用燃料電池(エネファーム)燃料電池自動車といった水素関連技術の活用やネガワット取引をはじめとするディマンドリスポンスの取組みの推進を掲げる。

再エネ

各電源の個性に応じた最大限の導入拡大と国民負担の抑制を両立する。こうした観点から、各種規制・制約への対応、開発リスクの高い地熱発電への支援、系統整備や系統運用の広域化、高効率化・低コスト化や系統運用技術の高度化等に向けた技術開発等により、再生可能エネルギーが低コストで導入可能となるような環境整備を行う。また、固定価格買取制度については、再エネの特性や実態を踏まえつつ、再エネ間のバランスの取れた導入や、最大限の導入拡大と国民負担抑制の両立が可能となるよう制度の見直しを行う。

化石エネルギー

石炭火力発電およびLNG火力発電の高効率化を図り、環境負荷の低減と両立しながら、その有効活用を推進する。石油火力については緊急時のバックアップ利用も踏まえ、必要な最小限の量を確保する。

こうした観点から、石炭火力を始め非効率な火力発電の導入を抑制することが可能な仕組みを導入するとともに、電気事業者による自主的な枠組みの早期構築を促す等低炭素化に向けた取組み等を推進する。また、化石燃料の低廉かつ安定的な供給に向けた資源確保の取組みの強化についても明記している。

原子力

安全性の確保を全てに優先し、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む。

2030年度以降を見据えて進める取組み

安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合に関する政策目標の確実な実現と多層・多様化した柔軟なエネルギー需給構造の構築に向け、革新的な蓄電池、水素社会の実現に向けた技術、次世代型再生可能エネルギー、二酸化炭素の回収貯留(CCS)および利用に関する技術をはじめとする新たな技術の開発・利用の推進、メタンハイドレートなど日本の排他的経済水域内に眠る資源の活用に向けた取組みも推進する。

【参考】
e-Gov - 長期エネルギー需給見通し策定に向けた御意見の募集について

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