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2017年度FIT、中小水力発電・バイオマス発電に新区分か 政府が検討中

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2017年度FIT、中小水力発電・バイオマス発電に新区分か 政府が検討中

経済産業省は、29日に開催した調達価格等算定委員会(第26回)で、FIT法改正を踏まえた来年度の買取価格等の参考とするため、バイオマス発電に関わる事業者からヒアリングを行うとともに、中小水力発電地熱発電・バイオマス発電のコスト動向等について議論した。

中小水力・木質バイオマスともに大規模区分を設定か

再エネの買取価格は、資本費や運転維持費など想定されたコストデータを踏まえて算出されている。その想定値が変わってくると買取価格も変わってくる。今回の委員会で、資源エネルギー庁は、「電源種別(中小水力、地熱、バイオマス)のコスト動向等」について、資料を提示した。

中小水力発電のコストデータについては、業界団体の要望を踏まえ、(1)工事種類によって区別(水路式等の新設する設備が多い案件/上下水道や、既存ダムの活用等の新設する設備が少ない案件)、(2)「1,000kW以上30,000kW未満」区分を5,000kWで区分(1,000~5,000kW/5,000~3万kW)し、分析を行った。その結果、資本費で規模による差異が認められたことから、資本費のみ想定値を見直した上で(1000kW以上5000kW未満:平均値93万円/kW、5000kW以上3万kW未満:平均値69万円/kWを採用)、1,000kW以上5,000kW未満、5,000kW以上3万kW未満で別途の区分を設ける方向性を示した。

地熱発電については、資本費・運転維持費ともに想定値と同水準だったことから、想定値を据え置く考えだ。

木質バイオマス発電については、一般木質を燃料とした案件が多い2万kW以上の大規模なプラントにおいて、想定値として採用した発電所(5700kW)より高い発電効率が確認されたことを受け、一般木質を燃料とする2万kW以上について、別途の区分を設ける案を提示した。

バイオマス発電のうち、廃棄物発電は補助金を得て実施している案件も多いこと、またメタン発酵発電は導入間もない案件が多いことなどを踏まえて、資本費・運転維持費の想定値を据え置く案が盛り込まれている。

木質バイオマス発電のコスト構造

「バイオマス発電事業者協会」が発足

バイオマス発電に関するヒアリングは、「バイオマス発電事業者協会」と「ごみ焼却余熱有効利用促進市町村等連絡協議会」から行われた。

バイオマス発電事業者協会は、バイオマス発電事業の促進等を目的に2016年11月22日に設立された業界団体。会員には、丸紅や日本紙パルプ商事など11社が名を連ねる。ほか、発電事業会社28社と関連事業者24社が入会する予定。

同協会は、バイオマス発電の特性・意義、2030年の電源構成・発電電力量の目標、FIT認定・稼働状況(2016年6月末時点)等について説明。二国間クレジット制度(JCM)を活用しアジアで行う木質ペレット製造事業等と連携した、バイオマス発電事業の展開可能性等についても示した。今後の協会の課題として、燃料の多様性確保と長期的な発電コスト低減努力をあげた。

廃棄物発電は工場の規模別に買取価格を

「ごみ焼却余熱有効利用促進市町村等連絡協議会」は、全国の大規模なごみ焼却施設を運営する地方公共団体が集まり、1992年に設立した任意団体。一般廃棄物処理行政におけるごみ焼却余熱の有効利用促進とごみ焼却施設に対する社会的評価の向上を図ることを目的に活動している。

同協議会は、各地方公共団体は財政状況の厳しい中、売電収入等を活用し、一般廃棄物処理事業を維持運営しているが、電力システム改革による電気料金の最大限の抑制という政府の方針を受け、売電収入は確実に減少していると現状を説明。円滑な事業運営を図れるよう、以下2点について、FIT制度について要望を伝えた。

1点目は、FITの対象になる廃棄物処理工場を規模別に数段階に分け、規模の小さいものほど、電気の買取価格を高くし、経営の安定化を図ること。清掃工場の規模により発電効率は大きく変わり、日量の焼却量が100トン程度と600トン規模の工場では、3倍程度の差がみられるとの知見が得られていることから、具体的には「150トン以下」「300トン以下」「600トン以下」「600トン超」の4段階程度に分けることを要望した。

2点目として、一般廃棄物発電施設は地域計画策定から施設の建設までに長期間を要するため、事業予見可能性を高め、事業化決定を促す観点から、買取価格設定を5年程度とすることを要望した。


経済産業省の調達価格等算定委員会では、FIT法改正を踏まえた、来年度の再生可能エネルギーの買取価格や、新たに導入される大規模太陽光発電を対象とした入札制度、中長期的な買取価格の目標等について検討を行っている。

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