地域活性化につながるスマート農業

TPP時代に求められる農業経営の進化(2) 北の大地に学ぶ新連携モデル

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リース方式によるバイオマス利用 ~北海道で展開されている先進的な農畜産経営~

経営不在でも30年以上の長きにわたり、生き残ってきた農地が存在すること、そうした農地に経営の考え方を導入すれば、TPP時代を生き抜くことができるのではないかということを前回では指摘した。そして、そのためのキーワードがアウトソーシングや戦略的な提携ではないかという仮説を提示した。今号では、その具体的な姿を展望してみたい。

まずは、参考となる具体例から見ていこう。農林畜産業の分野で上手な仕組みを取り入れて、本業の競争力強化に結び付けている例が北海道にある。人口6,000人強(平成22年国勢調査)の北海道士幌(しほろ)町は、農業生産額300億円を超える農業の町だ。平成25年発行の「町勢要覧」によると、町の総面積(25,913ha)の約60%が農用地で、「寒冷地型作物のじゃがいも、てん菜、小麦、豆類を計画的に輪作する畑作」と「飼養頭数70,000頭を超える酪農、肉用牛生産」が中心をなしている。国際的な農業動向や消費者ニーズを踏まえ、大規模農業を基盤とした有機農業地帯を形成し、有機物の地域還元を積極的に進める「地域循環型農業」の構築により、先進的かつ安全・安心な食づくりを目指しているという。

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