シリーズ「プラスチック問題を考える」第6回は、これまでの連載を踏まえ、プラスチック問題解決に向けた今後の動きを展望した上で、プラスチック資源循環の在り方について考察し、本シリーズの最終回とする。
プラスチック削減はどこまで進むか
世界各地で使い捨てプラスチック製品の使用を規制する政策が広がり(第2回参照)、産業界や個別企業によるプラスチックの使用抑制・排出抑制の取組も進みつつあることから(第3回、第4回、第5回参照)、今後も脱プラスチックに向けた動きは加速していくだろう。脱プラスチックの具体的手法としては、使い捨てされやすいプラスチック製品(ストローやカトラリーなど)の使用や提供をやめる、それらの製品の素材をプラスチックからプラスチック以外の素材(紙や木など)に替える、製品や容器包装のプラスチックの使用量を削減する(軽量化や薄肉化など)などがある。また、脱炭素の観点から、バイオマス由来のプラスチックに替える動きもある。
しかしながら、プラスチックは、軽く、機能性(酸素バリアなど)や耐久性などがありながらも比較的安価という特徴を有しており、他素材への転換や使用削減は容易ではない。そのため、現在利用されているプラスチックの使用量が大幅に減り、身近にプラスチックを見ることがなくなるという世界がすぐに訪れることはないが、代替できるものから少しずつ脱プラスチックが進んでいくだろう。
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