異常気象などの気候変動リスクが顕在化するなか、世界は「2050年カーボンニュートラル」に大きく舵を切った。その背景と、企業に求められる対応とは? 「2050年カーボンニュートラルに向かう世界とグリーンリカバリー」をテーマに、東京大学教授 高村 ゆかり氏が解説した。(全3回。以下、高村氏談/2月5日開催「環境ビジネスフォーラム」より)
気候変動によるリスク
近年、大型台風の上陸や豪雨災害などの異常気象による被害が相次いでいる。この数年の気候科学は、こうした異常気象について、どれだけ人間の活動による排出が影響を与えているかを定量的に示すことができるようになってきた。例えば2018年の西日本豪雨に関して言うと、人間の活動からの排出によって、降水量が6~7%程度押し上がったと示されている。
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