電力の小売自由化は、2000年に大規模工場や大型オフィスビルなど「特別高圧」区分から徐々に拡大した。2016年の全面自由化において、事業者に追い風となったものは何か。2017年後半ごろから起こった、関西エリアでの特別高圧需要家を主戦場とした苛烈な価格競争とはどのようなものか。再エネ電力事業の最前線で立上げ・運営をリードした小嶋 祐輔氏がポイントを解説する。(連載第11回)
前回までは、現在注目されている新しいビジネスモデルの現況・展望・課題を中心とした話題の提供をしてきました。今回より、電力全面自由化から現状の市況、さらに再生可能エネルギーを取り巻く政策変遷・制度変更を整理し、解説していきます。
全面自由化のスタート、小売電気事業者の興り
電力の小売自由化は、特定規模電気事業者による電力小売が、2000年に大規模工場や大型オフィスビルなど「特別高圧」区分向けへ、2004年には中規模工場などの「高圧」区分向けへと、徐々にその範囲が拡大された。