複雑で変動する社会(VUCA社会)においては、関わる個人や組織の多様性を活かし、社会の包摂を促すことが求められている。グローバルな視野に立って力を持ち寄る包摂型社会に向けた「地球市民性」の構築には何が必要か。ガバナンスや社会的学習が専門の東京都市大学大学院 環境情報学研究科の佐藤 真久教授に寄稿してもらった。(連載第6回、バックナンバーはこちら)
前回は、持続可能な社会を生み出す、多様な資本の統合とその好循環の仕組みづくりについて考察をしました。資本といっても、これまでの企業経営の主軸であった財務資本のみならず、人的資本や社会関係資本、知的資本、自然資本など、さまざまな種類がありました。そして、それらの資本を統合し、好循環を生み出すことは、企業経営だけではなく、地域づくりにも求められている点を強調しました。今回は、複雑で変動する社会(VUCA社会)において、関わる個人や組織の多様性を活かし、社会の包摂を促し、地球市民として成果を生み出す組織文化を創り出すことについて、述べたいと思います。