環境ビジネスの現場

凸版印刷のエネルギー管理士、地域のデマンドレスポンスに挑む(2ページ目)

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家庭の電力利用情報とマーケティングを結びつける

凸版印刷は、北九州市で実施されているスマートシティの実証実験に参画している。具体的には、家庭に対して電力ピーク時に、外出を促すおトクなタイムセールクーポンを配信することにより、デマンドレスポンスの実証を行っている。

背景には、デジタルチラシポータルサイト「Shufoo!(シュフー!)」等で培った消費行動分析ノウハウがある。「Shufoo!(シュフー!)」は月間約424万ユーザー、電子チラシを掲載する店舗は83,000店におよぶ、自分の住んでいる地域のスーパーなどが発行するチラシを比較検討できる買い物用のウェブサイトだ。

「将来的には、流通やメーカーなどと連携を図りながら、トッパンが持つチャネルを上手く活用しながら、効果的なデマンドレスポンスができればと考えています」。

電力が高くなる時間帯に超目玉タイムセール情報を配信し、節電が必要な時間帯に外出を促すというものだ。結果的に、お得な買い物を楽しみながら自宅の節電もできる。

「また、HEMSが収集するプライベートな「家庭の中の行動ログ(ライフログ)」に関しても、トッパンが銀行やクレジットカード会社などの受託業務で培ってきた、世界トップクラスの個人情報管理機能を生かして、信用のあるシステムを構築できればと考えます」。

凸版印刷はこれまでにも、NFCコンテンツ配信サービス「Cylsee(シルシー)」や、昨年末に発表したソフトバンクテレコムの「ウルトラ集客」の提供など、インターネットと実店舗を結び付けるO2O(オンラインtoオフライン)サービスも強化してきている。

児島さんの仕事は、家庭と企業のコミュニケーションを支援し、同時に一般消費者の省エネ推進に貢献することになる。今、スマート社会という新市場はエネルギー管理士の活躍の場へも波及し始めている。

児島豪志さんが所持している資格

・エネルギー管理士
 ・個人情報管理士
 ・特別管理産業廃棄物管理責任者
 ・危険物取扱者乙種4類

・公害防止管理者(大気関係2種)
 ・公害防止管理者(水質関係2種)
 ・公害防止管理者(騒音・振動)
 ・公害防止管理者(特定粉塵)


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