環境ビジネスの現場

固定価格買取制度で電気工事士の仕事が急速拡大

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2012年7月に日本でも導入された固定価格買取制度は、日本の新エネルギー業界を変えた。業界が変われば仕事内容も変わる。その中でも電気工事士は様々なかたちで拡大する太陽光発電システムの中心を担うと言ってよい存在だ。彼らの仕事は、今後どう変わり、どう発展していくのだろうか?

電気工事職人から施工管理技術者へ、
コミュニケーションの密度が事業利益と正比例する。

株式会社日本エコシステム 業務・技術部技術開発室 松沢成明さん
株式会社日本エコシステム
業務・技術部技術開発室 松沢成明さん

株式会社日本エコシステムの業務・技術部技術開発室に所属する松沢成明さんは、これまで同社が販売する住宅用太陽光発電システムの設置工事を担当する電気工事士としてキャリアを積んできた。

夏は照りつける日差しで作業靴底ラバーが溶け、冬は冷たい風が突き刺さる、一般家庭の屋根に上る現場作業だ。

しかし最近では、豊富な現場経験を活かし、住宅用より少し規模が大きな50kW未満の低圧太陽光発電システムを自前で運用し、利益を出していく売電事業の施工管理全体を担当する業務に取り組み始めている。

日本エコシステムは「屋根貸し太陽光発電事業」と呼ばれる、神奈川県などの地方自治体が保有する建物の屋根を借り受けて太陽光発電を行う事業者に選出され、社内に新規事業プロジェクトチームが立ち上がり、松沢さんも施工管理技術者として参画することになったためだ。

国内でもいち早く太陽光発電専門の販売施工会社として、全国で多くの施工実績を残してきた同社では、2012年7月からは固定価格買取制度の影響もあり、これまでの主力事業である住宅用太陽光発電システムに加え、大規模な産業用メガソーラーやミドルソーラーの受注を伸ばしているのだ。

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