再エネだけでなくカーボンニュートラルガスや水素を活用した都市型の脱炭素モデルとして、第1回「脱炭素先行地域」に選定された名古屋市。未来における都市のエネルギーの在り方のひとつを提示するリードプロジェクトとして、住民のQOLを向上しながら、苦労や我慢を伴わない脱炭素の実現を目指す。
低炭素から脱炭素へ、目標を上方修正
名古屋市が東邦ガス、三井不動産レジデンシャルと共同で進める「再開発地区で実現する脱炭素コンパクトシティモデル」。工場跡地の大規模再開発地区であり、2015年2月に市が、低炭素モデル地区として認定した「みなとアクルス:名古屋市港区」を舞台に、目標を上方修正して脱炭素化を進めると同時に、地域課題の解決と住民の暮らしの質を向上させる地域脱炭素の実現を目指している。
取り組みでは、みなとアクルスを構成する商業施設・スポーツ施設・環境学習施設・集合住宅などに対し、太陽光・小形風力発電・カーボンニュートラルな都市ガス、水素混焼コージェネレーションシステム(CGS)による電気・熱供給を導入するとともに、既存太陽光発電、ごみ発電の余剰電力を供給することで脱炭素化を図る。
具体的には、みなとアクルスに太陽光発電設備(1000kW)と風力発電(5kW)を追加導入。名古屋市内のごみ焼却工場などの再エネ電源(5カ所合計3万7800kWを想定)を集約し先行地域内に供給する。

名古屋市の脱炭素社会推進課・岩井氏は、「東邦ガスがアグリゲーターとなり、市内外の分散型リソースを束ねて再エネ調達を実施します。名古屋市の再エネは、広域再エネグリッド『名古屋DER-AI-Grid(でらい~グリッド)』を構築し、先行地域内へ再エネを送ります」と解説する。
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