「ローカル鉄道×脱炭素」の発想が、全国的な課題の解決につながる先進的モデルとして評価され、第4回目の脱炭素先行地域に選定された長野県上田市。上田電鉄別所線の沿線地域を舞台に進められる独創的な構想の概要や狙いを、上田市役所・環境政策課の西澤氏と中村氏に聞いた。
地域の背骨となるローカル鉄道を守る
日本のほぼ中央に位置し、晴天率が高く、全国的に見ても年間の日照時間に恵まれた地域である上田市。市の西南に広がる塩田平一帯は、肥沃な土地と気候に恵まれた風光明媚な地で、西端には信州最古とも言われる別所温泉が湧出している。晴天率が高く雨が少ないことからため池が多く、農林水産省の「ため池百選」に選定されている。
また、鎌倉時代から室町時代にかけて造られた国宝や重要文化財が数多く点在する歴史的・文化的な価値を有するエリアでもあり、塩田平のストーリーが日本遺産に認定されている。
こうした地域の特性を生かし、上田市が構想したのが、ローカル鉄道と市民がともに支え合う「ゼロカーボン×交通まちづくり」だ。上田電鉄をはじめ民間事業者8者との共同提案で、脱炭素先行地域の第4回公募に計画提案書を提出し、選定された。
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