
ウーブン・シティの実態がついに…
やっと、「ウーブン・シティ」の実態が明らかになった。トヨタが静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本・東富士工場の跡地で建設を進めている、次世代の街作りを実証する場が、ウーブン・シティだ。
今から5年前の2020年、今回の発表の場と同じ、米ネバダ州ラスベガス開催されたIT・家電の世界最大級見本市「CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)」では、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクテッド・シティ」(当時の表現)を2021年初期より着工すると明らかにしていた。
筆者は工事着工の直後からこれまで、定期的に「ウーブン・シティ」周辺を訪れて工事の進行状況を個人的に確認してきた。直近では、隣接する公道に面してホテルのようなエントランスがほぼ完成しており、そこから敷地の奥手に向かって各種の建物の外観がはっきり見えるようになっている。
これまで、工期については、第一期をフェイズ1と称してきたが、フェイズ1の完了時期や実証参加企業などについては未公開だった。フェイズ1での敷地面積は約5万平米。

ダイキン、日清らが参画 ENEOSやNTTらも検討進める
今回明らかになったのは、旧東日本工場の建物の一部を残してリノベーション工事を行っていること。そこから「モビリティのテストコース」として求められる要件を明確にしてから、フェイズ2を検討するという流れだ。フェイズ2以降の将来的には、敷地面積は約70万8000平米。
フェイズ1で協業する各種企業や発明家を、トヨタでは「イノベーターズ」と呼ぶ。現時点でウーブンシティへの参画が決まっている企業は、ダイキン工業、ダイドードリンコ、日清食品、UCCジャパン、増進会ホールディングスの5社。また、ENEOS、日本電信電話、リンナイが参画を検討中だ。
そのほか、起業家、大学、研究機関などによるウーブンシティ活用については、2025年夏にアクセラレーターブログラムの募集を予定している。
一方で、ウーブン・シティに居住する人、また訪問者を「ウィーバーズ」と呼び、ウーブン・シティの価値創造の想いに対する共創を進める。居住するウィーバーズは、2025年秋時点でトヨタ関係者とその家族100名程度で始め、1フェイズ1全体では約360人を想定。フェイズ2以降では約2000人規模を見込む。
世界的に見ても、他に類のない壮大な実証試験「ウーブン・シティ」。ここからどのような成果が生まれるのか、とても楽しみだ。